photo by Alex Chen
クールジャパンの最高傑作といえば何といっても「日本庭園」。華やかな英国式庭園やフランス式庭園と比べると緑やモノトーンの石が多くどうしても地味な印象になりがちです。しかし、それは逆に言えば我ら日本人の心にたたずむ「わび」と「さび」の奥ゆかしさを表したもの。それぞれの日本庭園には知れば知るほど面白い小ネタもあるのです。今回は日本中でみつけた、絶景とともに日本人の心「わび・さび」を知ってもらえる素敵な日本庭園を5つご紹介します。
石川県金沢市|兼六園
日本の三大名園にも挙げられる日本庭園の代表格。江戸時代に加賀藩主が別荘の庭として造ったのが始まりですが、その後何代もの藩主が受け継ぎ約180年かけてようやく完成した庭園です。途中火事になるというアクシデントもあったようですが…。今では園内に約10000本もの樹木があり、1年いつ訪れても最高の風景を楽しむことができます。静かな場所にある瓢箪の形をした「瓢池」には、なんとおでこにハート(!)の模様がついた鯉も泳いでいます。見つけるとなんと恋愛のご利益があるそうですよ。じっくり回りたい方には40分かけて園内を周るガイドさん付きのコースもおすすめ。ガイドさん1人につき1,500円なので大勢の仲間と利用すればめちゃめちゃお得になります。北陸新幹線も開通したので頑張ればふらりと日帰り旅行も楽しめます。
【住所】石川県金沢市小将町
【アクセス】金沢西・東ICより車で約30分/金沢駅よりタクシーで約10分
【入場料】大人310円/こども100円
香川県高松市|栗林公園
ちょっと足を延ばすことのできる方は四国、うどん県の高松までどうぞ。ここにはあの「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で3つ星をもらった日本を代表する日本庭園「栗林公園」があります。特別名勝の中でも最大の広さを誇るこの公園、兼六園同様100年以上の歳月をかけて作られました。名前は栗林ですが、植えられているのはほとんど松の木…。1400本もある松の木ほとんどの樹形は、なんと職人たちの手で見事に整えられ、「盆栽松」とも呼ばれています。松の中には皇族の方や英国王エドワード8世が植えられたものもあるらしいので、時間のある方は探してみてはいかがでしょう。この園内は1時間程度で周ることができるので、見終わったら名物うどん店へGO!!この公園から歩いて20分圏内にはたくさんのうどん屋さんがあるようです。休業日など不測の事態も起こり得るので事前に何店か候補を決めておくといいですね。
【住所】香川県高松市栗林町
【アクセス】高松駅よりタクシーで約7分/高松空港よりタクシーで約30分
【入園料】大人410円/こども170円
京都市西京区|桂離宮
17世紀初めから中頃までに、皇族よって作られた最高の名園ともよばれる「桂離宮」。色んなパターンの書院造や美しい庭園を楽しむことができます…が、第2次世界大戦前まではここを拝観するには、ある程度の身分や服装の制限があり限られた人しか中に入ることができませんでした。今でも身分証明書等を提示して事前に申請しないと中に入ることができません。入場規制が厳しく人気があるため競争率が激しいので有名です。いきなり行って中へ入ろうとしても辛い目に合ってしまうので注意しましょう。事前申請はこちらから
【住所】京都府京都市西京区桂御園
【アクセス】阪急京都線桂駅から徒歩20分
【入場料】無料
島根県安来町|足立美術館
景色も絵画の一部として作られ、細部にまで手入れの行き届いたこの庭園。館内から圧巻の四季折々の風景を楽しむことが出来ます。なんと裸一貫から立ち上がった個人所有の庭園でありながら、アメリカの日本庭園専門雑誌の日本庭園ランキングでは12年連続1位を獲得、さらに『ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン』でも3つ星評価されています。ちょっと遠いけれど、是非行きたいおすすめの日本庭園です。
【住所】島根県安来市古川町320
【アクセス】米子駅や安来駅からは無料シャトルバスも運行中
【入館料】大人2,300円/大学生1,800円/高校生1,000円/小中学生500円
ちょっとお高めですが名画コレクションも堪能できます。
京都市上京区|御所西京都平安ホテル
京都まで足を延ばしたら素敵な日本庭園が楽しめるこのホテルへのステイは如何でしょう。ホテルにある庭園ながらアメリカの日本庭園専門誌に3年連続4位にランクイン。500坪(!)の庭園に、日本の様々な情景がギュッと詰まっています。何と京都御所の真ん前にあるこのホテル。京都観光の拠点としては最高の場所にあります。もちろん、ステイしなくても庭園を眺めながらお食事することもできますよ。
【住所】京都市上京区烏丸上長者町上ル
【アクセス】烏丸線今出川駅より徒歩7分
【宿泊料】一泊朝食付きプラン7,500円~
ところであの砂の模様は何なのか
日本庭園にある砂利や砂に描かれたライン。気になりますよね。あれは「砂紋」といって水のない枯山水庭園特有の表現方法です。つまり、あのラインは水を使わずに水を表現したものなのだそうです。描く人によって出来も様々なようなので出会う機会があったらじっくり観察してみては。