photo by Carlos Donderis
日本の伝統文化と言えば、各種武道や茶道、踊りなど様々ですが、「華道」もその一つ。普段の生活の中では「生け花」と呼ばれることのほうが多く、主に花や木といった植物を使って自然の美しさを表す芸術です。一般家庭でも玄関や部屋などに飾られるなど、日本人にとってとてもなじみの深い芸術で、習い事としても昔から人気のあるジャンルです。生け花教室は日本全国各地にたくさんありますが、中には外国人観光客や居住者向けに英語でレッスンを行っている教室もあります。
華道の歴史
日本の華道の歴史は約550年前、室町時代の中期にまでさかのぼると言われています。当時、仏前に備える花が美しく見えるよう、いろいろなアレンジを加えて飾ったことが始まりとか。以降、時代とともに数々の流派に枝分かれし、たくさんの技法やスタイルが生まれました。しかし、基本のコンセプトは花器や花瓶といった限られた空間の中で、植物そのものの枝ぶりや形を活かしながら季節や自然の美しさを表現する、ということ。ただ花や木を美しくいければいいというわけではなく、小さな花器の上でいかに自分の世界観を表現するかという、とても奥の深いアートなのです。生け花では花瓶も使用しますが、水を張った平皿タイプの花器の中に「剣山」と呼ばれる針がたくさんついた土台に植物を刺していける方法が一般的です。
いけばな小原流
明治時代に小原雲心によってはじめられた小原流。華道の三大流派の一つで、日本全国に教室があります。現在では一般的な平皿に剣山を使っていけるスタイルは、小原流が始めたもの。いけばな小原流では毎週木曜日に外国人を対象に英語で生け花レッスンを行っています。また月1、2回の日曜日のクラスもあります。料金は一回4000円~6000円で、レッスンで使用する花は料金に含まれています。初心者から上級者まですべてのレベルの人が対象、参加する際には必ず予約が必要です。
いけばな小原流
住所:東京都港区南青山5-7-17
TEL:03-3499-1200
Email:international@ohararyu.or.jp
草月流生け花アトリエ双香
こちらの草月流も華道の三大流派の一つ。創立自体は1927年と比較的新しい流派ですが、植物以外の材質も取り入れるなど自由なスタイルが人気となり、日本中に広まっています。この「生け花アトリエ双香」では海外からの観光客を対象に、生け花の体験レッスンを行っています。プランはいろいろありますが、100分のコースで12000円、3時間の集中コースで40000円ほど。レッスンに必要な花、花器、はさみといった材料や道具は全て先方で揃えてくれます(要予約)。
観光客用の体験レッスン以外にも、通常の定期レッスンなど様々なコースがあります。
草月流生け花アトリエ双香
TEL:080-5099-4461
Email:smile@mika-otani.com
Ikebana Artist Hiromi
華道家の先生が一人で主催している生け花教室。流派は草月流です。海外に住んでいたこともある先生は英語が堪能で、東京に住む外国人や海外からの観光客向けに英語で生け花レッスンを行っています。体験レッスンは2-5人のグループが対象で、1時間8000円。レッスンに使用する花や道具はそろっています。定期レッスンの場合は月2回以上、1回1時間で5000円(花材込み)。定期レッスンの場合、はさみなどの道具は自分のものを揃えることになります。
Ikebana Artist Hiromi
TEL:080-3157-7878
Email:hiromisano11213@gmail.com
まとめ
日本の伝統的な芸術である華道、aka生け花。西洋のフラワーアレンジメントと比べると、使用する植物の数が少な目で簡単なようにも見えますね。ところが少ない数の植物を使って平皿の上に美しく、バランスよく、季節を感じさせながら一つの景色を作り出すという作業は、かなりのセンスと技術を必要とするもの。一度生け花を体験すると、その面白さに思わずはまってしまうことでしょう。トライアルレッスンでは花材や道具も準備されているので、初心者でも気軽に参加できます。日本に来る際には、ぜひ生け花を体験してみてはいかがでしょうか。