観光のための新規入国も一部解禁、現時点の日本の入国制限

関西空港

photo by Gilbert Sopakuwa

新型コロナウイルス感染症のパンデミックが始まって早くも3年目に突入しました。まだ収束はしていませんが、入国時の自宅待機を撤廃して観光客を受け入れている国も多くあります。日本も今年6月から、長らく停止していた観光客の受け入れを条件付きで開始しているほか、入国の際の待機期間を大きく緩和したり、入国手続きをスムーズにするための対策を取ったりしています。今回は、2022年7月現在、日本へ入国する際にはどんな手続きが必要になるのか詳しく見てみましょう。

 

現在日本へ入国できる人は?

日本はコロナ禍が始まってから長い間観光目的の入国を制限していましたが、今年6月から条件付きで受け入れを開始しました。それ以前から入国許可のあった商用・就労目的などの短期滞在に加えて、2022年8月現在では次のような人が日本へ新規入国することができます。

  1. 商用・就労等の目的の短期間(90日以下)の滞在者
  2. 観光目的の短期間の滞在の新規入国(旅行代理店等を受入責任者とする場合に限る)
  3. 長期間の滞在の新規入国

観光客の入国には条件があり、添乗員付きパッケージツアーで日本国内での受け入れ先が定まっている場合に限られています。また、現在日本に入国するにはどのような目的であれ必ずビザの発給を受ける必要があります。コロナ禍以前は、複数の国に対して90日間の短期滞在に対してビザの免除がありましたが、この特別措置は当面の間停止となっています

 

日本入国前の滞在国区分と待機期間

水際対策

現行の水際対策では、コロナウイルス感染症の発生状況に照らし合わせて各国・地域を青、黄、赤の3段階に分け、日本入国前にどの色の地域に滞在していたかによって待機期間や必要書類を設定しています。例えば青区分に分類されている国からの入国者は、待機期間やワクチン接種証明書の提出、到着時の検査が免除されます。自分の滞在していた国がどの区分になっているかは厚生労働省のウェブサイトで確認できます。現在最も厳しい赤区分の国はアルバニアとシエラレオネの2か国だけで、その他の国は全て青か黄区分になっています。黄区分の国からの渡航者はワクチンを3回接種済みであることを証明すれば、青区分からの渡航者と同じく到着時検査と3日間の入国後待機を免除されます。

 

日本入国に必要な書類は?

前述のとおり、現在日本に新規入国する外国人はビザの取得が必須です。また、新規入国、帰国、再入国する人全員に出発前72時間以内に検体を採取した陰性の検査証明書が必要です。その他の必要書類や手続きは滞在国の区分によって異なります。日本に入国前にそろえておくべき書類には次のようなものがあります(全員必須は検査証明書/質問票)。

  • 陰性の出国前検査証明書(全員必須)
  • 質問票(全員必須)
  • ワクチン接種証明書(検疫措置の緩和を希望する人)
  • 誓約書(検疫所が確保する宿泊施設または自宅等待機対象の人)

2022年9月7日からは、オミクロン株が支配的になっている国からの渡航者は、ワクチンを3回接種している証明書を提出すれば出国前72時間以内の検査証明書の提出が免除になります

 

入国前の手続きファストトラック

日本へ新規入国、帰国、再入国に関わらず、出発前に「ファストトラック」を利用して検疫手続きの一部を完了しておきましょう。ファストトラックは必ず利用しなければいけないわけではありませんが、これを利用せずにマニュアルで検疫手続きを到着後に行おうとすると余分な時間がかかります。ファストトラックはスマートフォンやタブレット上のMy SOSアプリ、またはMy SOS Web上で登録することができます。ここではMy SOSアプリでの利用手順をご紹介します。

  1. My SOSアプリをインストールする:厚生労働省のウェブサイトからアプリをダウンロードする
  2. 登録画面を開く:アプリの「検疫手続事前登録」ボタンをタップする
  3. 必要書類を登録:アプリの指示に従って、質問票・誓約書・ワクチン接種証明書(「登録する・登録しない」を選択)・出国前72時間以内の検査証明書を登録する
  4. 審査:登録内容の確認が完了するとアプリ画面が緑または青に変わる*(搭乗便到着予定日時の6時間前までに申請していれば、入国までに審査完了)。
  5. 日本入国時MySOSの画面を見せる:青/緑画面の場合は必要書類が全て揃っている証明になる。黄色画面の場合は不足している書類をマニュアルで確認する必要があります。

*黄色画面は必要書類が全て揃っていない、もしくは審査が完了していないため、到着空港で不足分をマニュアルで提出することになります。赤色画面は申請内容に不備があるため再登録が必要です。

パソコン等でMy SOS Webから検疫書類の登録をする人は、空港でログイン後の画面の色を見せることでアプリと同じく検疫手続きを済ませることができます。

水際対策は定期的に見直しが行われ予告なく変更になる場合があります。ファストトラックをあまり早く登録すると、直前で手順の変更あったりして2度手間になってしまうかもしれないので、出発2週間ほど前から準備するのが望ましいです。

 

まとめ

パッケージツアーなどの受け入れ先が決まっているものに限ってではありますが、日本でも6月から外国からの観光客の受け入れを再開されることになりました。それに伴って空港での検疫手続きも以前と比べるとずいぶん簡素化されてました。出発前にコロナウイルス感染症陰性の検査証明は取らなくてはいけませんが、2週間前から必要書類をファストトラックに登録しておくことで、日本に到着後に複雑な手続きを踏まなくてもよくなっています。厚生労働省のウェブサイトでも自分の出発国がどの区分に分類されているかなど簡単にチェックできるようになっているので、来日予定のある人は事前に確認しておくと安心です。

 

 

あきらことほ

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あきらことほ あきら ことほ

日本を離れて11年。帰国の度に日本のいいとこ再発見。このコラムが皆様の「日本のいいとこ発見」のお役に立てればウレシイです!

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