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2024年、日本は元旦に突然能登半島を襲った巨大地震で年が明けました。規模はM7.6とかなり大きく、大変な1年の幕開けになりました。年末年始の休暇中に起こった大地震ということで、被災者の中には帰省や旅行で一時的に能登に滞在していたという人も多くいたようです。ここ数年続く円安の影響で海外からの観光客が増加中ですが、日本全国どこにいても旅行中に地震にあうリスクは必ず存在します。もちろん、何事もなく日本観光を終えることのほうが多いとはいえ、やはりいざ旅行中に災害にあった時に慌てずにすむように知識だけでも持っておきたいもの。日本旅行中の地震対策としてどんなことに気を付ければいいのでしょうか。
地震大国日本
日本は4枚のプレートがぶつかる位置にあり、もともと地震の多い国です。冒頭の能登地震のほか、2011年の東日本大震災、1995年の阪神淡路大震災など、未曽有の大地震が十数年感覚で起こっています。しかし、それだけではなく、小規模の地震は日常的に観測されています。例えば、2023年の記録では震度1以上の地震は2000件以上、最大震度4以上を記録した地震は41件もありました。
事前に確認しておきたいこと
地震発生時に役立つアプリ
ひとまず来日前もしくは直後にスマートフォンに入れておきたいのが、観光庁が監修しているアプリSafety Tips。こちらは地震速報だけでなく津波警報、気象特別警報、噴火速報などをプッシュ通知で知らせてくれるアプリ。また、災害対応フローチャートやコミュニケーションカードなど、避難する際に役立つリンクも入っています。英語、中国語、韓国語、スペイン語など15言語に対応しているため日本語がわからない人にも使いやすくデザインしてあります。
在日本大使館の確認
短期滞在の場合、自分の国の在日公館にコンタクトをとることはほぼありません。しかし、非常時には各国の在日公館から被災者に向けてなんらかの支援がある場合があります。そのため、自分の旅行先の最寄りの在日公館のウェブサイト、所在地、連絡先をひかえておきましょう。
宿泊施設の避難経路確認
ホテルや旅館には各部屋に避難経路が表示されていることが多いです。宿泊施設についたらまず、部屋から非常口までのアクセス、避難経路などを確認しておきましょう。
その他
• 旅行保険に加入、日本からの連絡方法を確認
• 航空会社の日本オフィスへの連絡方法を確認
地震発生時の基本避難行動
地震が起きたらどう行動するか、基本的な行動を抑えておきましょう。
屋内の場合
- 倒れてきそうな家具や落下物から離れ、テーブルなど身を守れる場所に移動する。
- ドアや窓を開けて避難経路確保
- 揺れが続きそうな場合は屋外の開けた場所へ避難
屋外の場合
- ガラス窓、ブロック塀、建物の看板、がけなどの危険物から離れ、身を低くしてカバンなどで頭を保護する
- できるだけ開けた場所へ移動、丈夫そうな建物が近くにあればその中へ避難
- 海の近くで津波警報が出ている場合は、高い場所へ避難
日本で旅行中地震にあった時に役立つツール
防災ボトル
日本に住んでいる場合と違って、観光客は基本的に備蓄品や避難袋といったものを用意できません。しかし、警視庁が紹介している「防災ボトル」であれば、旅行者でも最低限の防災グッズを持ち歩くことができます。紹介分が日本語なのですが、簡単に言えば、500mL のプラスチックの水筒に、小さいホイッスル、圧縮タオル、エチケット袋、ミニライト、ビニール袋、常備薬、ばんそうこう、アルコール消毒綿、ようかん、現金を入れて携帯するというもの。もちろん中身はこれらに限ったものではなく、自分用にカスタマイズしてください。
医療機関検索ツール
災害時に最も心配なことの一つとして、ケガをしたり具合が悪くなった時に言葉が通じない土地でどうすればいいのかということ。日本国内で外国語対応をしている病院は限られており、小さい都市ほど数が少なくなります。自分の滞在先に希望言語対応をしてくれる病院があるかどうかは、この「医療機関検索」を使って調べられます。
NHKワールドジャパン
NHKの多言語ニュース。基本的には英語チャンネルですが、字幕を10か国語から選択できます。また、テキスト記事は21言語で読むことができます。災害発生時の情報収集に役立ちます。
Japan Safe Travel Information
現在起きている大型災害に関する情報のほか、主な空港、日本国内線、JR各社、東京大阪の主な私鉄線のサイトへのリンクを載せています。英語サイトですが、リンク先の各交通機関のウェブサイトは中国語、韓国語などの多言語使用になっていることが多く使いやすいです。
Japan Visitor Hotline
Japan Visitor Hotline は事故や緊急事態に関する訪日観光客の困りごとの相談ができるホットラインです。対応言語は英語、中国語、韓国語、日本語の4か国語で、24時間365日受け付けています。
まとめ
できれば起こってほしくない地震ですが、災害は時と場所を選ばないもの。もし日本旅行中に地震にあってしまっても、落ち着いて行動できるように対策だけはしておきたいものですね。今回ご紹介したツールは地震だけでなく、基本的にどんな災害時にも有用なものばかり。念のため知っておいて損はありません。ここでは紹介していませんが、海外旅行の必需品翻訳アプリもお忘れなく!