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1961年にロシアのボストーク1号が人類初の有人宇宙飛行を成し遂げてから半世紀以上。当時はロシアとアメリカ合衆国の独壇場だった宇宙開発も、現在は様々な国が参入し衛星の打ち上げなどを成功させていますね。日本ではJAXA(宇宙航空研究開発機構)が衛星や小型探査機を軌道に乗せるために、年に数回ロケットの打ち上げを行っており、その様子を見学することができます。打ち上げが行われるのは、国内に数か所あるJAXAの研究施設のうち2か所。めったに見ることのできないロケットの打ち上げ。いつどこへ行けば見ることができるのでしょうか。
JAXAについて
JAXAは日本の航空宇宙開発政策を一手に担う国立の研究・開発機関で、2003年に前身である3つの宇宙開発機関が合併されて誕生しました。人工衛星、ロケット、航空技術、輸送技術の開発・実験や、地球環境のモニタリング、開発した技術の運用など幅広い研究活動を行っている機関です。そのうちロケットの打ち上げを行っている施設は、種子島宇宙センターと内之浦宇宙空間観測所の2か所です。種子島宇宙センターでは主に大型のH-IIAロケットを使用して人工衛星の打ち上げを行い、内之浦宇宙空間観測所では小型のM-Ⅴロケットで衛星や探査機の打ち上げを行っています。JAXAの各研究施設では研究・開発の様子を見学できる施設も沢山あり、日本の宇宙開発の様子を学ぶことができます。種子島と内之浦の各施設では、一般の人もロケットの打ち上げを見学することが可能です。
まず打ち上げ予定情報をゲットしよう
ロケットの打ち上げが決まると、JAXAのホームページのプレスリリースで詳しい日時が発表されます。打ち上げ予定は大体実行予定日の1-2か月前に発表されますので、まめにJAXAのホームページをチェックしておくといいでしょう。新聞やテレビでも報道されますが、打ち上げを見学するには日付だけでなく、正確な打ち上げ時間を確認しておくことが重要です。2017年5月現在で最も近い予定は、2017年6月1日に種子島宇宙センターで行われるH-IIAロケットを使った「みちびき2号機」の打ち上げです。
参照:JAXAホームページ「H-IIAロケット34号機による『みちびき2号機』(準天頂衛星)の打上げについて」
ロケット打ち上げ見学場所までのアクセス
ロケットの打ち上げは各施設の中にあるロケット発射場で行われますが、打ち上げ当日は射点から半径3㎞以内は全て一般立ち入り禁止となってしまいます。そのため発射場から3㎞以上離れた見学場から見学します。原則は規定の距離が守られていればどこから見学しても自由ですが、JAXAのホームページでも紹介されている見学場からのほうがよく見え、またカウントダウンの拡声器も設置されているため、打ち上げのタイミングを計りやすいようです。
種子島宇宙センター
住所:鹿児島県熊毛郡南種子町大字茎永字麻津
飛行機:種子島空港から宇宙センターまで車で50分
フェリー:鹿児島から種子島「西之表港」まで3時間30分
ジェットフォイル:鹿児島「南埠頭」から種子島「西之表市」まで1時間40分
フェリー&ジェットフォイル:西之表港から宇宙センターまで車で約90分、バスで約2時間
内之浦宇宙空間観測所
住所:鹿児島県肝属郡肝付町南方1791-13
飛行機:鹿児島空港からリムジンバスで「鹿屋」へ1時間40分、鹿屋から観測所までタクシーで約45分
車:九州自動車道「溝辺鹿児島空港IC」から大隅縦貫道「笠之原IC」経由で観測所まで約1時間50分
ロケット打ち上げ見学時の注意点
- ロケットの打ち上げは天候や気象状況に影響されやすく、予定日に打ち上げができず延期になることも珍しくありません。より確実に打ち上げを見たいのであれば、旅行日程に余裕を持たせて延泊もできるようにしておくと安心です。
- ロケット見学は非常に人気のイベントのため、当日はかなりの混雑が予想されます。時間には十分余裕をもって見学場についておきましょう。また、内之浦宇宙空間観測所のある肝付町は非常に小さい町ですので、見学者が詰めかけることで交通網がマヒするという事態も過去に起こっています。そのため、一部の見学場は抽選になることがあります。
- ロケットの打ち上げ前後の日にちは、宇宙センターや観測所行きの交通機関、ロケット打ち上げ場周辺の宿泊施設が非常に込み合います。特に種子島では移動に自動車が必須になりますので、レンタカーやフェリーが必要な人はかなり前から予約をする必要があります。
- 公式見学場にはトイレが設置されていることが殆どですが、食料や飲み物を買えるところはありません。打ち上げ当日は混雑で長時間拘束されることが予想されます。食べるものや飲み物は自分で用意していきましょう。
- 鹿児島県は温暖な地域ですが冬場の打ち上げ、特に夜間の場合は冷え込みますので、きちんと防寒対策をしていきましょう。
まとめ
日本でも大人気のロケット打ち上げの見学。テレビの映像でその様子を見ることは度々あっても、実際に自分の目で見られる機会はめったにありません。打ち上げられたロケットはそのまま垂直に昇っていくのかと思いきや、以外にも海の向こうに落ちていくように見えるのだとか。これは軌道に載るよう地球の外周に沿って移動していくためで、決して打ち上げ失敗ではありません。ロケットが宇宙空間に旅立つ瞬間を目の当たりにできるなんて、壮大なロマンを感じてしまいますね。一度見れば一生忘れられない光景になること間違いなしです。