猛暑で知られる日本の夏。日本一熱い街はどこ?

summer

photo by hirohiroslope

和食を楽しんだり、ショッピングに出かけたり、史跡を訪ねたりと日本旅行の楽しみはたくさんありますが、四季折々でまったく違った景観に出会えるのも日本の魅力のひとつです。花の季節の春や紅葉の秋、雪景色の冬は海外からの観光客にもなかなかの評判ですが、夏だけは苦手な人が多いよう。それもそのはず連日続く猛暑や熱帯夜、日本の夏はとにかく暑いことで知られています。もはや語り草になっている感じすらある日本の夏の暑さですが、では日本一暑い街はどこなのでしょうか?やはり日本の南端に近い沖縄諸島や小笠原諸島でしょうか?いえいえ、赤道に近いから暑いなどと話はそれほど単純ではないのです。

 

まず「暑い」の基準は?

ひとくちに「暑い」と言っても、気温は一日中変化し続けるもの。気温の日本最高記録を持っている場所を「最も暑い」とすべきか、年間を通じて気温が高い場所を選択するべきか、判断に迷うところです。そこで今回は最高気温、猛暑日の数、1日の平均温度の高さの観点から、日本一暑い場所を検討してみようと思います。

 

日本最高気温を記録した街:江川崎(高知県)

江川崎は、高知県四万十川市の北部に位置する、総人口1590人の非常に小さな地域です。地域の東側には日本三大清流のひとつ四万十川が流れ、夏にはキャンプや川釣り、屋形船での川下りのほか、カヌーが盛んで夏場にはたくさんの人がカヌーで四万十川を下るためにやってきます。駅近くにはカヌー資料館もあり、カヌー教室も行われます。ここ江川崎は海から離れた山間部にあり、周囲を小高い山々で囲まれた盆地地形。そのため、夏は熱が逃げずに停滞しやすいため気温が上昇します。2013年8月12日に、日本国内の観測では最高気温となる摂氏41度を記録し、日本一暑い街として知られるようになりました。2017年には猛暑日日数が24日で全国2位となり、その暑さが再認識されました。ちなみに山間部のため夜間は気温が急落し、1日の気温差が激しい場所としても知られています。

東京からのアクセス:羽田から松山(愛媛県)まで飛行機で約1時間、松山空港から江川崎まで車で約2時間

 

日本一「猛暑日」の多かった場所:日田市(大分県)

日田市は大分、熊本、福岡の3県の境に位置する、人口64000人ほどの小都市。市内には二段式滝の「慈恩の滝」や、温泉地「琴平温泉」や日田温泉などの観光名所があり、旅行先としても人気です。南へ下った熊本県と大分県の県境には、カルデラ地形で有名な阿蘇山も。日田市は標高が1000mと小高く周りを山々に囲まれた盆地形のため、夏は暑く冬は冷え込み、1日のうちでも朝夕の寒暖差が大きいという特徴があります。特に日田市の夏は酷暑で知られており、日中の最高気温が35℃を超える猛暑日が2016年は38日、2017年は25日を記録して2年連続全国1位となりました。とにかく熱い日田市の夏ですが、日が落ちれば多少は涼しくなるのが救いでしょうか。温泉でサッパリ汗を流せば、夕暮れからはなかなか快適に過ごせそうです。

東京からのアクセス:羽田から福岡まで飛行機で約1時間、福岡空港から日田市まで高速バスで約1時間30分

 

一日中暑い場所:館林市(群馬県)

東京から電車で約1時間、群馬県の南東部に位置する館林市。正田醤油や日清製粉の発祥の地、また、日本一のこいのぼりやつつじヶ丘公園、大量の狸の像が名物の茂林寺などの観光名所でもよく知られています。実は群馬県全体が夏の暑さで有名なのですが、これは群馬県の南側に位置する都心で生成された熱気が、フェーン現象によって群馬県に吹き降ろしてくるため。群馬県は周囲を山で囲まれているため、熱が逃げにくい地形なのです。同県の中でも館林市は夏場の平均気温ランキング上位の常連。平均気温は毎年コンスタントに31℃を超えてくるし、日中の最高気温が39℃を超えることもザラにあります。最高気温が高くなる場所は日本全国にたくさんありますが、館林市の特徴は夜も暑いという点。昼も夜もエアコン必須です。

東京からのアクセス:東部伊勢崎線浅草駅から館林駅まで約60分

 

まとめ

今回明らかになったのは、夏に酷暑になりやすい場所はズバリ「内陸の盆地」だということ。江川崎も日田市も館林市も、全て海岸線から離れたところにある山に囲まれた地形です。気温の高さに加えて、日本の夏は湿度が高いため体感温度は更に上昇します。怖いもの見たさでいったいどれほどの暑さなのか、ちょっと体験してみたなった人もいるかもしれませんね。ただし、日本でも夏場の熱中症が問題になっていますので、夏にこれらの場所に出かける人は、水分補給などの熱中症対策を怠らないようにしましょう。

 


関連記事
逆に行きたい!日本一寒い街「北海道陸別町」の魅力とは?


  

 

あきらことほ

この記事を書いた人

あきらことほ あきら ことほ

日本を離れて11年。帰国の度に日本のいいとこ再発見。このコラムが皆様の「日本のいいとこ発見」のお役に立てればウレシイです!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>