逆に行きたい!日本一寒い街「北海道陸別町」の魅力とは?

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photo by rikubetsucho

日本列島の最北部に位置する北海道。冬季の気温が日本で最も低いここ北海道なかでも、十勝地方の内陸部にある陸別町は「日本で一番寒い町」として知られています。寒い町というとなんだかちょっとネガティブな印象を受けてしまいそうなものです。しかし、ここ陸別町は逆に寒さを活かしたイベントや、ちょっと日常では体験できないアクティビティなどで近年観光客からの注目が集まっています。そんな日本一寒い町・陸別町の魅力をご紹介します。

 

陸別町ってどんなところ?

陸別町は、北海道の中心からやや東に広がる十勝地方の北東部に位置しています。十勝地方は酪農業が盛んでバターなどの乳製品や、大豆や小豆などを栽培する農業、林業でも知られています。そんな十勝地方の内陸部にある陸別町の西側は高原性の台地、東側は小高い高原地帯といういわゆる「盆地」の地形。そのため夏は暑く冬は寒い、非常に寒暖の差が激しい気候になっています。特に冬場の気温の低さは飛びぬけており、2016年の最低気温-28.8℃・最高気温31.8℃と、その差は60℃以上!1月の平均最低気温-20.2℃、年間平均気温-11.4℃と、日本で最も気温の低い町なのです。過去には-38.0℃を記録したことも。そんな陸別町ではその寒さを最大限に利用したイベントや、澄み切ったままの美しい夜空を観測できる天文台などさまざまなアクティビティが用意されており、観光にも力を入れています。東京から飛行機で女満別空港、女満別空港から車で約1時間とアクセスも比較的簡単。毎年沢山の人が日本一の寒さを体験しに訪れています。

アクセス

羽田空港から女満別空港まで1時間45分
女満別空港から自動車で約1時間、もしくは北見バスで約3時間(北見バスターミナルでの乗換時間含む)

陸別町ホームページ

 

ふるさと銀河りくべつ鉄道

現在、陸別町の公共交通機関は北海道北見バスと十勝バスが運行する2つのバス路線のみ。以前は帯広~北見間を連絡する単線鉄道ふるさと銀河線が走っていたのですが、2006年4月、その95年の歴史の幕が閉じられ廃線となりました。以後数年間、ふるさと銀座線は使用されないままで保存されていたのですが、2008年に夏季限定の観光用の鉄道「ふるさと銀河陸別鉄道」として生まれ変わりました。こちらは、ふるさと銀河線で実際に使用されていた車両に乗車できたり、線路の上を運転出来たりする珍しいアクティビティ。また足こぎ式のトロッコもあり子供から大人まで楽しむことができます。ふるさと銀河りくべつ鉄道の開場期間は、毎年4月下旬ごろから10月末ごろまで。また旧ふるさと銀河線陸別駅の駅舎は、現在「道の駅オーロラタウン93りくべつ」として使用されています。バス路線の発着、ふるさと銀河りくべつ鉄道の発着駅、観光物産館として営業しているほか、道の駅スタンプラリーも開催しています。

陸別町商工会(ふるさと銀河りくべつ鉄道)

 

銀河の森天文台(りくべつ宇宙地球科学館)

銀河の森天文台

photo by rikubetsu

昭和62年に「星空の街」に選定されたほど空の美しい陸別町。一般的に冬場は大気の対流が少なく、空気中の不純物が少ないため他の季節よりもより美しく星が見えるものです。日本一寒い陸別町の大気汚染とは無縁な澄み切った夜空は、ことさら天体観測に適しています。銀河の森天文台の館内では、日本最大級の大きさを誇る115㎝反射望遠鏡「りくり」を始め、4台の小型望遠鏡や太陽望遠鏡などで天体観測ができます。また、パネル展示、大型モニターや宇宙探検コンピューターを使用しての体験学習、プラネタリウムなど宇宙について学べるツールが満載。もちろん望遠鏡を使用しなくても、夜一歩外に出ればそこは降って来そうな満点の星。肉眼でもバッチリ星座観察ができます。

銀河の森天文台(りくべつ宇宙地球科学館)

陸別町でオーロラ

実は陸別町は、日本ではごく珍しいオーロラ観測のできる場所として知られています。陸別町を含め北海道で観測されるオーロラは「低緯度オーロラ」と呼ばれています。これは高緯度地域で発生しているオーロラの上空の赤い部分を斜めから見ている状態です。陸別町では過去数回この低緯度オーロラが観測されており、もっとも最近では2015年3月に銀河の森天文台にて、11年ぶりにうっすらと赤いオーロラが観測されました。

 

しばれフェスティバル

shibare fesphoto by rikubetsu

めんこ大会やオフロードレースなど、年間を通じて様々なイベントが催されている陸別町。なかでも日本一の寒さを余すところなく発揮しているのが、しばれフェスティバル。「しばれ」とは北海道の方言で、凍てつくような厳しい寒さを表す言葉。2日間に渡って開催されるこの大会では、ゲストを招いてのステージショーや冬の夜空を彩る花火大会など、沢山の出し物が用意されています。しかし、とりわけ大会の目玉となり年々注目を集めているのが「人間耐寒テスト」。これは冬の屋外に設置された丸い風船のような形の住居「バルーンマンション」内で、暖房器具を一切使わずに一晩過ごすという、なんとも命知らずなイベント。一晩寒さに震えながら耐え抜けば、翌朝晴れて認定証をもらえます。ちなみに賞金はありません。むしろ参加料がかかるくらいなのですが、この人間耐寒テストが人気を呼び、今では毎年全国から「しばれ」を愛する猛者たちが集う大会に成長しています。

 

まとめ

自然いっぱいののどかな風景に、星の瞬く美しい夜空、電車の運転に体を張った寒さ体験。町をあげての観光アピールが功を奏して、年々高まっている陸別町の人気。寒い冬にはついつい暖を求めて屋内に籠ってしまいがちですが、この際、陸別町で日本一の寒さを体験してみるのも楽しいですよ。でも防寒着はしっかり用意していきましょう。

 


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あきらことほ

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日本を離れて11年。帰国の度に日本のいいとこ再発見。このコラムが皆様の「日本のいいとこ発見」のお役に立てればウレシイです!

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