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日本では日常的に自転車を使用する人が多く、たくさんの人が通学や通勤、買い物などのために自転車で外出しています。自転車は日本人にとってかなり身近な存在。そのため引越しの際に自転車も一緒に送りたいという希望はかなり多くあります。また、趣味で遠方のロードバイクレースへの参戦や、旅行先でツーリングをする場合も自転車を輸送する必要があります。しかし自転車を持ち運ぶのはかなり大変、乗っていくのも近場ならいいですが、遠方の場合はとても現実的とは言えません。日本で自転車をスムーズに輸送するには、どんな方法をとればいいのでしょうか。
その1:輸送業者に依頼する
自転車輸送の最も簡単な方法は、輸送会社に依頼することです。日本には全国規模で事業展開している輸送業者がたくさんありますが、これらのほとんどが自転車の輸送も受け付けています。引っ越しの際に家具などの荷物と一緒に依頼する場合は、見積もりの際に「自転車があります」と伝えておけば引っ越し料金に含めて見積もりを出してくれます。
また、旅行先で自分の自転車に乗りたいなど、自転車だけを遠方に送りたいという場合も自転車単体の輸送を依頼できます。通常の宅配荷物と同じく、電話やインターネットで輸送を依頼、梱包して送り状を張り付け輸送します。梱包資材は依頼すればもらえますが、実際の梱包は自分自身で行います。極端に輸送の困難な離島の場合は、受付を断られる場合もあります。
自転車を単体で送る場合の料金の目安
輸送にかかる料金は距離によって変動します。例えば東京から西濃運輸で一般的なサイズの自転車を輸送すると、次のような料金設定になります。
- 東京―埼玉:5850円
- 東京―大阪:7150円
- 東京―北海道:9710円
- 東京―沖縄:12874円
その2:自動車に積載して運ぶ
自転車輸送で最も確実なのは、車に自転車を積んで自分で運転していく方法。車体のルーフや後部に自転車を積載する場合は、サイクルキャリアを使用してしっかり固定する必要があります。また、自動車は自転車を安全に積載できるだけのサイズのものを選択。また、車内に十分スペースのある車種では自転車をそのまま載せて固定することも可能です。小さな車の場合は自転車を分解してキャリーバッグなどに入れて輸送します。
注意したいのは、レンタカーで輸送する場合。自転車の車外積載を認めているレンタカー会社はほとんどないため、原則として車内積載のみになります。また、自転車を分解せずにそのまま載せられるかどうかはレンタカー会社によって異なるので、契約前の確認が必須です。
その3:電車など公共交通機関に持ち込んで運ぶ
海外ではよく自転車を使って通勤する人を見かけます。自宅から勤務先までずっと自転車で走行する人もいれば、部分的に電車を使用するなど自転車と公共交通機関を組み合わせて通勤する人もいます。時々自転車をまるごと電車内に持ち込んでいる人も見かけますね。日本でも自転車を電車等に持ち込むことは可能ですが、残念ながら海外のように自転車をそのまま持ち込むことはできません。日本の公共交通機関に自転車を持ち込むには、自転車を分解して「輸行袋」とよばれる大きな袋に入れた状態で荷物のようにして持ち込む必要があります。また、交通機関の種類によっては自転車の持ち込みを断られる場合もあります。
- 鉄道:輸行袋に入れて持ち込みOK、原則無料
- 飛行機:客室内持ち込み不可、既定のサイズ、重量に収まっていれば無料で預け入れが可能だが、航空会社によって規定が違うので事前に問い合わせ必須(超過の場合は別料金)
- 高速バス:輸行袋等にコンパクトにまとめてあれば原則預け入れが可能。ただし事前の確認が必須。
- 路線バス:原則持ち込み不可
自転車を輸送する際の注意点
- 輸送会社に依頼する場合、日常で使用するシティサイクルなど比較的衝撃に強い自転車であれば、それほど丁寧に梱包する必要はありませんが、レース用の自転車など繊細な調節を必要とするものはしっかり梱包してから輸送します。
- 自転車の梱包は輸送会社では請け負ってくれないので、自分で行います。
- 輸送会社に依頼する場合は、自転車の分解は行っても行わなくても引き受けてもらえます。
- 引越しの際に自転車を放置していくことは厳禁です。放置自転車は自治体の罰則対象になっています。
まとめ
日本での自転車輸送の方法はいくつかあり、どれもそれほど難しくはありません。ただし、公共交通機関を使って運ぶ時には袋に入れて手荷物としなくてはならないなど、海外とはルールが異なる点もあるので注意が必要です。また、レンタカーではサイクルキャリアを使っての輸送ができないというのも覚えておきたいですね。総合すると、多少コストはかかりますが、輸送会社に依頼するのが最も手間のかからない方法と言えそうです。依頼する場合は、梱包資材の取り寄せや梱包に時間がかかるので、時間に余裕を持たせておきましょう。