photo by Jernej Furman
今月初め、日本政府が日本国内でのウクライナ避難者の受け入れを発表してから、滞在用の公営住宅の確保や地元企業を中心とした雇用先の確保など、支援体制が急ピッチで進められてきました。現在、ウクライナから日本に避難のために入国した人は500人以上おり、その数は徐々に増えてきています。中にはほとんどなにも持たずに逃げてきた人たちもおり、これから日本で生活していくにあたって資金面はとても心配になる点の一つです。日本国内外で街づくりや学生支援、被災地支援などいろいろなフィールドで支援活動を行っている日本財団は、4月20日からウクライナ避難者に対して渡航費・生活費・住環境整備費を支援することを発表しました。
日本財団について
日本財団は、日本国内で海洋船舶関連の事業、学生への奨学金制度の運営や障碍者支援などの福祉事業、国際協力事業など幅広い事業を展開する国内最大の公益財団法人です。
今回の支援の背景
日本政府は4月上旬にウクライナ避難者の受け入れを発表し、一時滞在先や当面の生活費の支給をすることを発表しました。しかし、これらの支援は主に日本に身寄りがいない人を対象にしており、家族や親せきなど頼る先のある人には支援対象に入らない人もいました。ただ、政府の支援の対象にならなくても、ウクライナ近隣諸国から日本までの渡航費や日本での生活費など、支払いは発生します。これらの費用を身元引受人が全て支払うには負担が多きすぎるため、支援の対象を拡大してほしいという声が上がっていました。このように、日本に身寄りはいるけれど資金面で困っている人を支援するために、日本財団が助成プログラムを立ち上げました。申請は日本財団のウェブサイトから、4月20日より受付開始です。
支援内容
このたびの日本財団による助成の内容は次のとおりです。それぞれの支援の詳細な条件は、日本財団のウェブサイトから確認できます。
- 日本への渡航費
すでに来日している人/すでに航空券手配済みの人:渡航費の実費(上限30万円/1人)
これから航空券を手配する人:航空券のeチケットと日本国内の移動費 - 日本での生活費:1名につき100万円/年(1家族当たり上限300万円/年、分割払い)
- 住環境整備費:1戸につき50万円(一律)
申請方法
日本財団の助成金の申請は、2022年4月20日から受け付け開始になります。支援の対象はウクライナからの避難者ですが、申請はその人たちの身元引受人が行うことになっています。4月20日に同団体のウェブサイトの申請ページにGoogleフォームのリンクが公開されるので、そこから必要書類をアップロードして申請します。
- 対象者:ロシアの侵攻により日本に避難するウクライナ国民で、日本在住の身元保証人のある人
- 申請者:対象者の身元保証人
- 申請期間:2022年4月20日(金)~2023年3月31日(水)
必要書類
- 申請書(Googleフォーム、4月20日から日本財団のウェブサイトに掲載)
- 申請者本人確認書類の写し
- 外国籍の場合:在留カード(日本国籍の場合:運転免許証、健康保険証)
- 申請者の同意書(要署名・捺印)(4月20日から日本財団のウェブサイトに掲載)
- 支援対象者の身分証明書(パスポート、在留カードなど)の写し
- 支援対象者の同意書(要署名)(4月20日から日本財団のウェブサイトに掲載)
上記に加えて、各助成金に関して次の書類が必要になります。
- 渡航費に関して:交通費の領収書(すでに航空券を購入済み/来日済みの場合)or 航空券手配に必要な書類(航空券手配前の人)
- 生活費に関して:支援対象者の入国が確認できる書類(パスポートの上陸許可証印(シール)、在留カード等)の写し
- 住環境整備費に関して:新たに入居したことを証明するもの(賃貸契約書など入居日および住所の分かる書類)
まとめ
この日本財団の助成金は、日本に身寄りのいるウクライナ避難者を対象にしています。その背景には、ウクライナからの避難者を受け入れた日本の家族や親せきが、渡航費や生活費、住居の準備などを負担することになり、その資金の工面に困っているという声が多く聞かれたためです。実際にヨーロッパから家族数人を呼び寄せるとなると百万円近い費用がかかることになり、個人で全て支払うと経済的に大きな負担になってしまいます。そんな中、この度の日本財団の助成金は避難者を支援する家族にとって大きな助けになりそうです。申請の受け付けは4月20日から始まりますので、助成金を希望する人は同団体のウェブサイトを確認の上手続きを行いましょう。