新型コロナ感染症のパンデミックが始まってもうすぐ3年がと経とうとしています。一時は観光目的の渡航を含めた外国人の新規入国を厳しく制限していた日本ですが、2020年後半から徐々に緩和をはじめ、今年10月からは本格的に新規入国者の受け入れが再開されました。最近の円安も相まって日本を訪れる観光客の数は上昇中です。ただ、完全にコロナパンデミック以前の状態に戻ったわけではなく、いくつかの条件はクリアする必要があります。今回は、2022年12月現在の日本の入国制限についてまとめてみました。
新規入国制限の変更
2022年10月11日、日本政府は外国人の新規入国制限の変更を発表しました。以前は特段の事由がある人のみが入国対象になっていましたが、現在はそれが解除され観光目的や一時入国などもできるようになりました。詳しい変更点は次のとおりです。
- 商用・就労等の短期間(90日以下)の滞在、観光目的の短期間の滞在及び長期間の滞在の新規入国:日本国内に所在する受入責任者による入国者健康確認システム(ERFS)における申請は不要。
- 外国人観光客の入国:パッケージツアーに限定しない。
- 知人訪問:これまで認められていなかったもの及び通過目的の入国も可能。
- 「親族・知人訪問」目的の短期滞在ビザ申請:招へい人の方による誓約事項への同意は不要。
ビザについて
日本政府は2020年の新規入国条件の緩和以降もビザ免除措置を一時停止し、入国のための条件を満たしている人でも必ずビザを取得する必要がありました。2022年10月の新たな緩和措置ではこれが解除され、68の国・地域に関してビザ免除措置を再開しました。ただし、ICAO(国際民間航空機関:International Civil Aviation Organization)標準のIC旅券の保持者に限るなど、国や地域によっては詳細条件が決められています。ビザ免除措置が再開された国のリストや詳細条件は外務省のホームページで確認できます。
現在の水際措置について
2022年12月現在の水際措置はいたってシンプル。日本政府が有効と認める新型コロナウイルス感染症ワクチンを3回接種しているという証明書を提出すれば、出国前検査の陰性証明書、到着時検査、入国後待機が免除されます。有効なワクチン3回接種を証明できない場合は、以前と同じく出国前検査の陰性証明書の提出が必要になりますが、到着時検査と入国後待機はありません。ワクチン3回接種の有無に限らず、質問票はこれまで通り提出します。
ファストトラック使用で到着時の検疫手続きをスムーズに
ファストトラックは、ワクチン接種証明書や質問票をあらかじめウェブ上で登録しておくことで、入国時の検疫手続きを簡素化できるシステムです。入国後待機期間の撤廃を受けて2022年11月1日からはそれまでファストトラックに使用していたMySOSを終了し、現在はVisit Japan Webに一本化されています。Visit Japan Webは厚生労働省のホームページからアクセスできます。
ファストトラックは滞在国を出国前に登録しておきます。詳しい手順は下記の通りです。
出国前
- 厚生労働省のウェブサイトからVisit Japan Webにアクセスしてアカウント作成・ログイン
- 利用者情報の登録(自分自身と、同伴家族がいる場合は同時に登録)
- 入国・帰国のスケジュールを登録
- 検疫情報(ファストトラック)・外国人入国記録(日本人と再入国外国人は不要)・税関申告(携帯品/別送品)を登録
日本到着時
- 入国/帰国手続きで下記のQRコードを表示する
- 検疫のQRコード
- 入国審査のQRコード
- 税関のQRコード
Visit Japan Webは日本語・英語・中国語(簡体/繁体)・韓国語に対応しています。
まとめ
コロナパンデミックの初期に比べると、ずいぶん簡素化された水際対策と入国手続き。一番大きいのは、68か国に対してビザ免除措置が再開されたことでしょうか。今回の緩和以前は観光目的の入国は旅行会社を通じたパッケージ旅行のみ、しかも事前に短期滞在ビザを申請する必要があったため、なかなかの手間がかかっていました。また、到着時検査と入国後待機期間が撤廃されたことで検疫措置もかなり簡単になりました。有効なワクチンを3回接種した証明書を登録すれば、出発前検査も不要です。出発前検査は検査に行く時間も検査費用もかかるため、渡航者にとって負担になっていましたがワクチンを3回接種することでこれも不要です。ポイントは出国前にVisit Japan Webでこれらの証明書や質問票を登録しておくこと。日本到着後はQRコードを見せるだけで各種検査を通過することができます。