初めてでも大丈夫。お茶会で感じる日本のおもてなしの心

japanese tea ceremony

photo by Hideyuki KAMON

お茶会にご興味をお持ちの皆さん、ようこそ抹茶の世界へ!皆さんがお茶会に興味を持って頂いたこと、日本人の一人として、とても嬉しく思います。このコラムでは皆さんがお茶会を楽しむためのマナーや作法を丁寧に解説してきたいと思います。どうぞゆっくりご覧ください。

 

そもそも抹茶って何? 

japanese tea farm

photo by kanegen

皆さん、そもそも抹茶ってどんなものかご存知ですか?日本では日本茶と言われる緑のお茶、「緑茶」の生産が盛んに行われています。最近では緑茶がペットボトルでも飲めるようになり、どこでも手軽に緑茶を楽しめるようになりました。そして、数ある緑茶の中でも日本人に最も馴染みが深いのが「抹茶」。抹茶は心地よい苦味と美しい緑色が特徴で、抹茶のペットボトルや抹茶を使ったスイーツや日本でも大人気なのです。

 

抹茶を楽しむお茶会

Matcha

photo by rumpleteaser

抹茶は日本で最も人気のある飲み物の一つですが、抹茶には飲む以外にもう一つの楽しみ方があります。それが今回お話する「お茶会」。古くから日本人は客人をおもてなしするとき、お茶を振る舞い客人と一緒にお茶を飲むことで客人を労う文化がありました。お茶会は客人にお茶を振る舞う文化が長い歴史の中で作法になり、亭主と客人が一定の決まりのもと抹茶を楽しむことで精神的な交流を図る日本の文化「茶道」になりました。

 

お茶会ってどんな作法があるの?

japanese tea ceremony

photo by Moyan Brenn

茶道には様々な流派があり、流派によってお茶会の作法は異なります。ただ、どの流派にも共通して言えることがあります。それは抹茶を振る舞う亭主は「皆さんに美味しく抹茶を召し上がっていただき、皆さんをおもてなししたい」という想いがあるということです。日本の茶道は難しく緊張するイメージがあるかもしれませんが、上手くできなくても、間違えてもいいのです。是非、亭主に作法を教えてもらいながら、楽しくお茶会を体験してみてくだい。このコラムではお茶会を体験するための大まか流れや代表的な作法についてご紹介していきます。

 

代表的なお茶会の流れと作法

Japanese Tea Ceremony

photo by mrhayata

席入り

お茶会では皆さんに抹茶を振る舞う亭主に席へ案内されます。
伝統的なお茶会では茶室と呼ばれるお茶会のための個室を使うこともあります。現代ではお茶会により参加しやすくするため、椅子を用いたり、畳を敷きお茶会を行うこともあります。

お点前

皆さんが席に着き準備が整うと、いよいよお点前が始まります。
お点前とはお茶会で抹茶を点てるときの一連の作法・流れのことです。

1. 挨拶

はじめに亭主と挨拶を交わしましょう。挨拶の作法は流派や形式によって異なりますが、亭主や正客と呼ばれるベテランのお客さんが見本を見せてくれたりして促してくれるので真似をしてみてください。大事なことは抹茶を振る舞ってくれる亭主に皆さんのお礼の気持ちを伝えることです。

2. お菓子をいただく

お茶会では亭主からお菓子を出されます。大抵の場合、美しく彩られたものであったり、抹茶の味を引き立ててくれる和菓子です。多くの場合、お菓子を出すタイミングは抹茶よりも先になります。お菓子を目の前に出されたら、すぐには手を付けずお菓子の色合いや亭主の所作を楽しんでみてください。様子を見て亭主や正客の方が食べるように促してくれます。他の客人より先にお菓子をいただく場合は、「お先に」と周りの客人に声をかけると心配りが喜ばれます。ここでも亭主や正客の方がリードしてくれるのであまり気を張らずに美味しくお菓子をいただきましょう。

3. 抹茶をいただく

お菓子を食べ終わると、いよいよ抹茶が運ばれてきます。茶道では客人が一杯の抹茶を一つの茶碗で回しながらお茶を楽しみます。ここで大事なのがお茶を全て飲みきらないことです。一杯の抹茶を客人で少しずついただくことで、その場にいる客人が心の交流を深めます。茶碗は右側の人から順番に回ってきます。抹茶を飲む作法は、茶碗を運んできてくれた人に一礼し、まだ茶碗が回ってきていない隣の人にも「お先に」と一礼します。そして茶碗を自分の正面に置き、亭主に「お点前頂戴します」と言いながら一礼します。抹茶を飲むときに右手で茶碗を2回ほど手前に回しましょう。3口ほど味わったら隣の客人に茶碗を引き渡します。引き渡すときは一度、茶碗を自分の正面に置き亭主に一礼しましょう。亭主に感謝の気持ちが伝わります。そして、自分の隣の客人の間に茶碗を置き直し、引き渡します。抹茶をいただく場面はお茶会の中でも、最も作法が細かく最初は戸惑ってしまうかもしれません。日本人だってほとんどの方がわからないのです。でも、亭主や正客の方がキチンとリードしてくれるので、安心してお茶会が持つ独特な静寂や作法を楽しんでみてください。

退席

抹茶を頂いたあとは、お茶会で使った茶碗や「茶具」と呼ばれる道具を目で見て楽しみます。亭主の方が茶碗や茶具の歴史や使い方を解説しくれます。亭主との会話もお茶会の楽しみの一つです。一通り見終わったら、亭主や正客の方にお礼の挨拶をして退席しましょう。皆さんの気持ちを伝えることが大切です!

 

お茶会に興味がある皆さんへ

お茶会は作法が細かく難しく感じられた方もいらっしゃるかもしれません。でもお茶会の作法の根底にあるのは、「亭主が抹茶を振る舞うことを通じて、皆さんをおもてなしすること」にあります。このコラムに興味を持っていただいた皆さんにはお茶会を体験していただき、是非、日本のおもてなしを感じていただきたいですね。

 

 

origami

この記事を書いた人

origami origami 編集部

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