photo by Wayne Lo
日本の美しさと素晴らしさを再認識できる街、古都京都。多くの神社仏閣などの歴史的建造物はもちろん、あらゆるところで、四季折々の美しい風景、そして正統派日本食などを楽しむことができ、日本を凝縮させた場所と言っても過言ではありません。その京都でぜひ出会っておきたいのは、ため息がでるような美しさを備えた芸妓さん舞妓さん。しっとりした京都の情景にさらに彩りを与えるのが彼女たちのお仕事です。
芸者さん芸妓さん舞妓さんの違いって?
海外では一様に芸者と呼ばれていますが芸者は東京での呼び名。芸者は一人前と見習とに区別されており、それぞれの呼び名が地域によって異なってきます。東京の一人前が芸者さん、見習が半玉と呼ばれています。京都では一人前を芸妓さん、見習が舞妓さんと呼ばれているのです。明治以降、芸妓さん舞妓さんと呼ばれることが日本では多くなったので、このコラムではこの呼び名で解説していきます。一見同じように見える芸妓さんと舞妓さんですが、じっくり見比べるとその違いに気づきます。
photo by Hansel and Regrettal
まず舞妓さん。将来芸妓になることを夢見ている少女達がまずは舞妓としてスタートを切ります。なので舞妓さんの年齢はほぼ20歳以下。髪の毛は地毛で結い上げ、かんざしや髪飾りもとても華やかで可愛らしく、女子感たっぷりです。もちろん着物は若い女性だけが着ることを許される華やかな振袖。パッと見で見分けられる特徴は帯の長さと下駄です。舞妓さんの帯はだらんと垂れ下がった「だらりの帯」。そして下駄は「おこぼ」と呼ばれる高さが10センチほどもあるぽっくり下駄を履いています。もし、街で出会って芸妓さんかな?舞妓さんかな?なんて思うことがあれば、そっと後ろに回って確認しましょう。舞妓さんの後ろ姿は想像以上に艶っぽいので、見とれ過ぎて怪しまれないように。
photo by Annie Guilloret
そして、芸妓さん。20歳を過ぎてこの世界に足を踏み入れ、いきなり芸妓としてデビューする初々しい芸妓さんもいらっしゃいますが、ほとんどの方は経験を積んでいるので貫禄たっぷり。中には80歳でも現役をして活躍している人がいるようです。そんな芸妓さんですが経験豊富なだけにお客様をもてなすワザはまさにプロ。踊りや三味線、お琴や唄などでお座敷を華やかに盛り上げます。もちろん舞妓さんとは見かけも全然違います。髪型はかつらを被った上に髪飾りも控えめ。着物も黒やシックな色のものなので大人の色気がたっぷりと漂っています。
芸妓さん舞妓さんにはどこで会えますか?
京都に行ったからといって、必ず舞妓さんや芸妓さんと会えるわけではありません。がっかりするようなことがないように必ず下調べをして行きましょう。とにかく一目だけでも会いたいのなら、花見小路や宮川町へ出かけてみましょう。この町は花街エリアと呼ばれていて、夕方から夜にかけては多くの芸妓さん舞妓さんが歩いています。ただ、芸妓さんや舞妓さんの跡をつけたり、勝手に写真を撮ったりするのは迷惑行為。どうしても、写真をお願いしたいなら、ちゃんと了解を得てからにしないと嫌われますよ。
そして、一人前の大人なら、ぜひ京都で体験したいのはお座敷遊び。
一見さんお断りのお座敷が多い中、初心者でも気軽にお座敷遊びを体験できるのが『祇園畑中』です。ここで開かれる「京料理と舞妓の夕べ」では、舞妓さんや芸妓さんの踊りや三味線、お座敷遊びなどを楽しみながら、京料理に舌鼓を打つことが出来ます。さらに、芸妓さんや舞妓さんと話すチャンスが用意されているので、場をシラケさせないためにも何か面白いネタや質問をいくつか準備しておきましょう。
祇園畑中
京都市東山区祇園町南側505
電話075-541-5315
舞妓さんに絞り込んでお座敷遊びしたいのなら『舞妓花の席』がおすすめです。本物の舞妓さんの舞を楽しんだ後は会話などのお楽しみタイム。さらに記念撮影もできるので素敵な旅の思い出になりますよ。土日祝日限定の開催なので混み合いそうです。できれば予約を。
舞妓花の席
京都市東山区祇園町南側
電話075-451-1881
舞妓さんや芸妓さんと直接話すなんて…。という恥ずかしがりやのあなたは『ギオンコーナー』に行ってみませんか。舞妓さんの京舞をはじめ、日本の伝統芸能をダイジェストで楽しむことが出来ます。ただ舞妓さんが踊るのは、はるか遠く舞台の上。客席から眺めるお客様のそばには来てくれないし、お話しもできません。ご了承を。
ギオンコーナー
京都市東山区祇園町南側570-2祇園会館内
電話075-561-1119
もう見るだけじゃなくて自分も!という方には
さらに、見るだけじゃ満足できないという方は、舞妓さんに思い切って変身してみませんか。憧れの舞妓さん体験ができるのは『舞妓変身スタジオ四季』。舞妓さんの姿に変身した姿で街を散策したり記念撮影してもらえるプランも。ここでは男性は舞妓さんになることは出来ませんがサムライに変身することは出来ちゃいます。お得なキャンペーンも随時用意されているので、まずはホームページをチェックしてみましょう。
舞妓変身スタジオ四季
京都市東山区高台寺南門桝屋町351-16
電話 075-531-2777
守ってほしいマナー
芸妓さんや舞妓さんはサービスのプロですが勘違いは禁物です。基本、どんな会話にも快く応じてくれますが、恋愛の話や金銭の話などのプライベートな話を聞くことは絶対にやめましょう。もちろん、体や髪の毛、着物などに触るなんてもってのほかです。京都での思い出が素敵なものになるように、そして芸妓さん舞妓さんに不愉快な思いをさせないためにも、最低限のマナーは必ず守りましょうね。