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日本の象徴『富士山』。標高3,776m日本で一番高い山です。富士山には「不死」(ふじみ)と「不二」(ふたつとない)という意味があり、美しいその姿は古くから信仰の対象として崇められてきました。そして富士山の魅力の一つは「登山経験がなくても普通の体力があれば登頂できる」ということ。事実、2013年6月に世界遺産に登録されてからは、夏の2ヶ月間だけでなんと約30万人もの人が富士山に登っているのだそうです!とはいえ、富士山は日本最高峰の山。本当に登山初心者でも登れるのか…?調べてみました。
富士山の登山シーズンは夏のみ!
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まず、富士山の登山シーズンは7月上旬~9月中旬までです。この期間は登山バスが運行されていて、宿泊できる山小屋や売店、公衆トイレもあるから初心者でも大丈夫なんですね。7月は比較的空いていますが、前半は梅雨で天気が崩れることが多いので、初心者は7月下旬の梅雨明けからの登山がおすすめです。7月下旬以降から8月中、夏休みに入ると大勢の登山者で大混雑します。特に週末やお盆の時期は山道は登山者であふれんばかりに。山頂でご来光が見たいと思っても大渋滞で前に進めないことも。逆にゆっくりと登りたいのに後ろからせかされることも。9月は落ち着いて登れる穴場の時期ですが、寒さが厳しくなり始めるので防寒具など万全な装備が必要になります。持ち物は念入りに準備しましょう。ちなみに登山シーズン以外は、相当な登山経験者じゃない限りはとても危険です!
富士山登山に最低限必要な持ち物リスト
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初心者だからこそ、装備はしっかり確認しないと。
- ザック(リュックサック・バックパック)
- ヘッドライト+予備電池
- 登山ルート地図
- トレッキングシューズ
- レインウェア・雨具
- 防寒ウェア
- 軍手
- 食べ物・飲み物
- 小銭(100円玉)
- トイレットペーパー
小銭は何のため?と思ったら、公衆トイレがチップ制(100~300円)だからなんですね。あと忘れてはならないのが入山料。五合目から頂上に向かう登山者は1,000円の入山料を払いましょう。富士山の環境保全の資金となるのできちんと収めるようにしてくださいね。
登山ルート人気ランキングと特徴
富士山には4つの登山ルートがあります。
それぞれ特徴が異なるので自分に合ったルートを選びましょう。
人気ランキング1位 吉田登山ルート
登山ルートの1番人気は黄色の吉田登山ルート。
- 登山者が多くもっともにぎやか
- 売店、山小屋、救護所が一番多いので初心者にやさしい
- 道がしっかりと整備されているので歩きやすい
- 初心者にはこのルートがもっともおススメ
出発地点の標高(5合目) | ▶ 2305m |
歩行距離 | ▶ 登り:7.5km ▶ 下り:7.6km |
所要時間 (休憩含まず) | ▶ 登り:約6時間 ▶ 下り:約3時間20分 |
山小屋数 | ▶ 18 |
人気ランキング2位 富士宮登山ルート
登山ルートの2位は青色の富士宮登山ルート。
- 山頂への最短ルート
- 登山道が細いので譲り合いが必要
- 全体的に傾斜が急でやや岩場が多い
出発地点の標高(5合目) | ▶ 2400mm |
歩行距離 | ▶ 登り:5.0km ▶ 下り:5.0km |
所要時間 (休憩含まず) | ▶ 登り:約5時間 ▶ 下り:約2時間40分 |
山小屋数 | ▶ 9 |
人気ランキング3位 須走登山ルート
登山ルートの3位は赤色の須走登山ルート。
- 上り始めは緑に覆われた登山道なので気持ちがいい
- 吉田口ルートと合流するので8合目からは渋滞しやすい
- 下山道の砂走りはヒザにやさしく早く下山できる
出発地点の標高(5合目) | ▶ 2000m |
歩行距離 | ▶ 登り:7.8km ▶ 下り:6.2km |
所要時間 (休憩含まず) | ▶ 登り:約5時間40分 ▶ 下り:約2時間30分 |
山小屋数 | ▶ 12 |
人気ランキング4位 御殿場登山ルート
登山ルートの4位は緑色の御殿場登山ルート。
- めちゃくちゃ登山道が長い
- 山小屋が少ない(つまりトイレが少ない)
- 登山者が少ないためあまり渋滞することがない
出発地点の標高(5合目) | ▶ 1440m |
歩行距離 | ▶ 登り:11.0km ▶ 下り:8.5km |
所要時間 (休憩含まず) | ▶ 登り:約7時間30分 ▶ 下り:約3時間10分 |
山小屋数 | ▶ 5 |
英語版富士山登山ルートマップ
英語版富士山登山ルートマップ(PDF)のダウンロードはこちら
初心者にオススメの吉田登山ルート入口までのアクセス
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電車を使うと乗換えが多く登る前から疲れそうなので、ここでは高速バスを使ったアクセス方法を紹介します。多少時間がかかるものの、
- 運賃が安い
- 夜出発して翌朝に着く(着くまで寝ていられる)
のでいいと思います。東京からだと新宿駅から登山道入口まで直通の高速バスが出ているので便利です。
東京から|新宿駅~富士スバルライン五合目吉田口
①直通高速バスで新宿駅~富士スバルライン五合目吉田口
所要時間:約2時間30分
大人料金:片道2,700円
子供料金:片道1,350円
大阪から|大阪駅~富士山駅~富士スバルライン五合目吉田口
①高速バスで大阪駅~富士山駅
所要時間:約11時間
大人料金:片道8,700円
子供料金:片道4,350円
②路線バスで富士山駅~富士スバルライン五合目吉田口
所要時間:45分~1時間5分
大人料金:片道1,540円
子供料金:片道770円
京都から|京都駅~富士山駅~富士スバルライン五合目吉田口
①京都駅~富士山駅 高速バス
所要時間:約9時間20分
大人料金:片道8,200円
子供料金:片道4,100円
②路線バスで富士山駅~富士スバルライン五合目吉田口
所要時間:45分~1時間5分
大人料金:片道1,540円
子供料金:片道770円
ご予約やお問い合わせは富士急行バス
富士山登山スケジュールは1泊2日で
photo by Banzai Hiroaki
富士山登山は1泊2日で計画しましょう。弾丸ツアーで日帰り登山をする人もいるようですが、初心者は高度に身体を慣らすため日程に余裕を持って挑むほうが良さそうです。
1日目 五合目登山口に到着~八合目山小屋五合目登山口に到着
昼食後、五合目登山口から登り始め、夕方頃に八合目の山小屋に到着、山小屋で食事と仮眠。
2日目 八合目山小屋~山頂~下山
夜明け前の午前2時ごろ山頂へ向けて出発。午前4時半ごろ山頂に到着、ご来光を拝んだら下山。というのが平均的な登頂スケジュール。
吉田登山ルート七合目以降の山小屋リスト
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山頂付近の山小屋は週末やお盆の時期には数か月前から予約でいっぱいになるので早めに予約を入れましょう。宿泊料金は5,000円~8,500円。素泊まりか1泊2食かの2つの料金設定があります。いずれも週末・祝日には料金が上がります。寝室は大部屋の場合と個室の場合がありますが、いずれにせよ共有の寝袋や布団で寝るので、気になる方はマイ寝袋を持参すると快適に眠れそうです。
山小屋名 | 所在地 | 1泊2食 | 素泊まり | 電話 |
---|---|---|---|---|
花小屋 | 吉田口七合目 | 7800円 | 5800円 | 090-7234-9955 |
日の出館 | 吉田口七合目 | 7800円 | 5800円 | 0555-24-6522 |
七合目トモエ館 | 吉田口七合目 | 7800円 | 5800円 | 0555-24-6521 |
鎌岩館 | 吉田口七合目 | 8200円 | 6100円 | 080-1299-0223 |
富士一館 | 吉田口七合目 | 7800円 | 5600円 | 080-1036-6691 |
鳥居荘 | 吉田口本七合目 | 7000円 | 5000円 | 0555-84-2050 |
東洋館 | 吉田口七合目 | 8200円 | 6100円 | 0555-22-1040 |
太子館 | 吉田口八合目 | 8500円 | - | 0555-24-6516 |
逢菜館 | 吉田口八合目 | 8500円 | - | 0555-24-6515 |
白雲荘 | 吉田口八合目 | 7800円 | 5800円 | 0555-24-6514 |
元祖室 | 吉田口八合目 | 7800円 | 5600円 | 0555-24-6513 |
本八合目富士山ホテル | 吉田口本八合目 | 8350円 | 5950円 | 0555-24-6512 |
本八合目トモエ館 | 吉田口本八合目 | 7800円 | 5800円 | 0555-24-6511 |
御来光館 | 吉田口八合五勺 | 7500円 | 5500円 | 0555-22-7751 |
富士山登山で得られるプライスレス体験!
ご来光「おひさま、ありがとう。」
photo by Hajime NAKANO
雲海から昇る日の出。苦労して登ってきたのはこの一瞬のためと言っても過言ではありません。しばし美しい景色に浸ってください。
頂上から手紙をだそう!富士山頂郵便局
photo by Sig.
富士山の山頂には郵便局があるんです。登山証明書や頂上局公認の富士山登頂証、オリジナルの消印など、ここでしか手に入らない思い出をゲットしましょう。
最後に
富士山は子どもでも登れる山と言われていますが、あまり無理をすると高山病のリスクもあるのでご注意を。高山病予防のポイントは50分おきに10分ほどの休憩をとること。疲れてきたら立ち止まって深呼吸。そして気が緩みがちな下山の際もルートを間違えるともう戻れません。(正式には戻れますが戻る気がしません)分岐点では標識をしっかり確認してくださいね。安全第一!どうか皆さんご富士(ご無事)に富士登山を楽しんでください!