島国日本は珍しい島の宝庫!行ってみたい日本の島

珍しい島

photo by Stuart Rankin

日本の人気観光地と言えば首都東京を始め、京都や奈良など古い歴史を体感できる都市や、自然豊かな北海道などがありますね。これらの人気都市のほとんどが、本州や北海道、九州、四国など日本の国土の大部分を形成する大型の島々に位置しています。しかし、見どころはなにもこういった都市だけではありません。日本は大小無数の島々が寄り集まってできた島国。まだまだ観光地としてはマイナーな、でもユニークな地形や歴史的背景を持つ小さな島がたくさんあるのです。今回は、機会があればぜひ行ってみたい日本の珍しい島々をご紹介します。

 

沖島(滋賀県)

沖島

photo by Alpsdake

日本最大の湖・琵琶湖のある滋賀県。その琵琶湖の東岸に位置する近江八幡市は、古くから商人の街として栄えました。古い商家や八幡堀など江戸初期を彷彿とさせる歴史的町並みは、重要伝統的建造物群保存地区に指定されており、観光名所になっています。そんな近江八幡市から琵琶湖の沖合約1.5㎞に浮かんでいるのが沖島です。この島は、日本で唯一の「淡水湖の中にある有人島」。近江八幡市街地から橋はかかっておらず、堀切港と沖島の間を運行するフェリーを利用して行き来します。島内には車は走っておらず、交通手段は徒歩か自転車のみ。狭い路地や昔懐かしい建物が密集してできた街並みは、数十年前の日本そのもので、タイムスリップしたような錯覚を起こしてしまいます。近江八幡市は大阪から電車で約1時間半、京都からは30分強と近いので、京都大阪観光のついでに立ち寄れます。

滋賀・びわ湖観光情報

 

硫黄島(東京都)

東京から南へ約1200㎞離れた海上に浮かぶ小笠原諸島。そのうちの一つが硫黄島です。活発な火山活動のために島内のあちこちで硫黄が見られることが名前の由来です。太平洋戦争中に激しい戦闘のあった激戦地として世界的にもよく知られており、2006年にはアメリカ映画の舞台にもなりました。現在の硫黄島には自衛隊の基地が設置されており、慰霊訪問をする旧島民と自衛隊員以外の上陸は許可されていません。ただし、年に一度クルージングツアーが開催され、硫黄島に加えて北硫黄島、南硫黄島を海上から眺めることができます。1年に一度しか開催されず、募集人数も200人と少ないため、早めの申し込みが必要です。

小笠原海運

 

南大東島(沖縄県)

沖縄本島から東へ約360㎞の位置に浮かぶ南大東島。上空から見るといびつな楕円のような形をしており、非常に平たい地形をしているように見えるのですが、実は中央部に向かってだんだん標高が下がっています。火山島のようにも見えますが、南大東島は遥か昔に珊瑚礁が隆起してできた「隆起環礁」という非常に珍しい地形なのです。現在でも1年に7㎝ずつ北に移動しており、はるか250万年後には別の陸地とぶつかる運命にあります。山と言えるような隆起が全くないため、島の隅々まで開拓がなされており、土地の大部分がサトウキビ畑として活用されています。島にはシュノーケリングやキャンプ、鍾乳洞や海岸植物群の観察など様々な見どころが。アクセスは那覇市から飛行機で約1時間、フェリーで約13時間かかります。島内に公共交通機関はないので、移動にはレンタサイクルやレンタルバイクなどを使います。

南大東島ホームページ

 

青ヶ島(東京都)

青ヶ島

Photo by Soica2001

東京から約360㎞南に位置する伊豆諸島に属する青ヶ島の人口は約160人。日本一人口の少ない村として知られています。また、二重カルデラ、火山の中に火山があるという世界的にも珍しい地形をしています。人口の光がほとんど存在しないため、雲のない夜にはプラネタリウムさながらの星空が見られ、天体観測にうってつけ。雄大な自然を堪能するのに最適な場所なのに、意外にも来訪者は年間を通じても2000人を超えることはありません。理由はこの青ヶ島が非常にアクセスしにくい地形であること。東京からの直行便はなく、かならず60㎞程離れた八丈島経由で、ヘリコプターか船で行き来しなくてはなりません。ヘリコプターには9席しかなく、船の就航率も50%と極端に低いのです。この島の海岸線は全て断崖絶壁になっており、少し海が荒れるだけでも島への着岸が不可能になってしまうので、すぐに結構になってしまうのですね。まさに日本の秘境といっても過言ではありません。そのため、青ヶ島を訪ねる際には、スケジュールに十分余裕を持っておくことが重要です。無事に島へたどり着ければ、雄大な自然の他に地元名産の焼酎「あおちゅう」を堪能できますよ。

青ヶ島村ホームページ

 

端島(軍艦島、長崎県)

軍艦島

photo by dice_sotg

長崎県の沖合約17㎞に浮かぶ端島は、その姿が戦艦「土佐」に似ていることから、通称「軍艦島」と呼ばれています。この島は明治時代に海底炭鉱の採掘のために開発され、炭鉱労働者とその家族の生活拠点として、埋め立てを繰り返しながら発展しました。最盛期にはわずか6.3ヘクタールの土地に5300人が居住しており、首都以上の人口密度がありました。しかし、60年代から石炭の需要が減り始め、1974年に炭鉱は閉鎖、住民たちも島を去り全くの無人島となりました。長らく一般人の上陸は制限されていましたが、2009年から再開されています。2015年には世界文化遺産に指定され、複数の会社が軍艦島ツアーを行っています。当時の生活の名残りを残したまま打ち捨てられた廃墟は、どこか異世界じみたものものしさがあります。

軍艦島ツアー開催の会社(英語のサイトあり)
軍艦島コンシェルジュ
やまさ海運

 

まとめ

今回は珍しい地形や歴史的背景を持つユニークな島5つを集めてみました。中には到着できるだけでラッキーという、極端にアクセスの難しい場所もありました。沖島を除いては東京や大阪からかなり距離のあるところがほとんどなので、スケジュールに余裕のある時にゆっくり訪れたいですね。今回ご紹介した5島以外にも、まだまだ日本には珍しいユニークな島がたくさんあります。日本に来た際は、都市観光の他に小さな島々を巡ってみても楽しいですよ。

 

 

あきらことほ

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あきらことほ あきら ことほ

日本を離れて11年。帰国の度に日本のいいとこ再発見。このコラムが皆様の「日本のいいとこ発見」のお役に立てればウレシイです!

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