転勤や留学で日本へ引越しが決定!そんな時、なにはともあれまず初めに考えることは、日本での住まいをどうするか?という点ですよね。日本の物価は世界的に見てけして低いとは言えません。家賃だって地方都市は比較的安めですが、東京に住むとなると格段に高くなってしまいます。それならばできるだけ家賃の低い物件を探して、コストを抑えたいと思うのが人情です。でも、家賃の安さだけに固執してその他の条件を全く考慮に入れないと、住んでみたらとんでもなく住み心地が悪かったなんてことになりかねません。では、できるだけ自分の好みに合っていて家賃も安い物件を見つけるには、どうすればいいのでしょうか?
日本で安く引越しできるシーズンは?契約時期によって家賃の変動はある?
ご存じの通り、日本では学校から企業、公官庁まで新年度が4月から始まることが多く、そのため入学や入社、転勤といった理由で人が一斉に移動する時期(3月~4月)というものが存在します。引っ越しの繁忙期と呼ばれるこの季節は、引っ越し費用が閑散期の2倍にも膨れ上がるのです。逆にこの時期を過ぎると閑散期に入り、引越し費用は低くなります。ただし、これは引越しを請け負う業者の料金が割り増しになるため。物件の貸主が意図的に家賃を上げたり下げたりしているわけではないのです。時期によって家賃が変動してしまうと、同じ建物なのに毎月支払う家賃が入居の時期によって変わってしまい、トラブルの原因になるからです。
しかし、繁忙期を過ぎても入居が決まらない物件というのは、その後も長く空き部屋になってしまう可能性が高いため、繁忙期後に売れ残った物件に関してはある程度家賃交渉の余地があります。それも大幅な値下げではなく、交渉に成功しても数千円程度の違いにとどまります。したがって、家賃を低く抑える方法は、物件が多く出てくる時期を狙ってできるだけ安くて条件のいい物件を探すことにつきます。そのためには、いつ、どんな物件が市場に出てきやすのか、大まかに把握しておくことが大事です。
1月~3月
4月の年度初めに向けて全国的に移動が多く、単身者向けファミリー向け問わず、1年でもっとも物件が多い時期。1月からどんどん物件がアップされ、2月3月と進むにつれ優良物件はどんどん埋まっていきます。
利点
- 全てのタイプの物件が豊富。単身者向け物件も多数。
- 新築物件が最も多い。
- 気に入った物件を逃してしまっても、また似たような物件が見つかる可能性が高い。
欠点
- 1年で最も需要が高まる時期のため、金額交渉をしてもほぼ断られる。
- 内見から契約まで平均1週間程度と、どんどん決まっていくので気に入った物件は即決が必要。
- 人気物件を抑えるためには前倒しで契約しなくてはならず、入居前に家賃が発生する可能性も。
- まだ前の入居者が住んでいる場合は内見できないかもしれない。
4月~6月
繁忙期が終わり、市場が落ち着く時期。条件のいい物件は少ないですが、内見から契約までの間に余裕ができ、リサーチもしやすい時期です。
利点
- 物件数は少ないが、売れ残っている物件があるので家賃交渉をするならここがねらい目。
- GW中は物件のリサーチがゆっくりできる。連休中に営業している不動産屋も!
- ファミリー/カップル向けの物件は比較的多い。
欠点
- 4月下旬から引越しピークが終わり、物件数は1年で最も低いレベルに。
- 単身者用の物件が特に少ない。
7月~9月
企業の転勤の辞令が増える時期(特に7月9月)。ファミリー向け、単身者向けとも3-4月の繁忙期ほどではありませんが、少し需要が高まる時期です。
利点
- 安定して物件があるが、繁忙期ほど忙しくないのでゆっくり物件を吟味できる。
- この時点で入居の決まっていな物件は、貸主も早く貸し出したいと思っているため金額交渉がしやすい。
欠点
- 日本の夏は非常に暑いため、内見のための移動が多いと思いのほか疲弊する。
10月~12月
10月は転勤の駆け込み物件探しをする人がいる時期で、ファミリー向けの物件はそれなりに出ています。逆に単身者向けは10月の間は少なめですが、12月に近づくと推薦入試等で早めに進学の決まった学生たちが物件探しを始めるため、徐々に数が多くなってきます。また、新築物件の数が増え始めるのもこの時期。
利点
- 繁忙期に向けて物件が増え始めるので、後半に近づくにつれて選択肢が広がる。
- 仲介業者にもまだ時間がある時期なので、焦らず物件を吟味することができる。
- 新築物件の数が増える。
欠点
- 前半は物件数が少ないので、条件に合う物件が探しにくい。
まとめ
賃貸物件を借りるなら、家賃はできるだけ安いほうがいいですね。しかし、原則として賃貸物件の家賃は年間を通じて変動しないので、この時期に引っ越せば家賃が安い!という事実はありません。家賃を少しでも下げられるとすれば、売れ残り物件の多い4月からが多少交渉の余地あり。物件探しで最も重要なのは、自分の条件に当てはまる物件をできるだけたくさん見て、その中からもっともいいと思う物件を選ぶということ。そのためには自分が入居したい時期の市場の動向をきちんと知っておくことが大切です。大まかにいうと、
たくさん物件を見たい→1-3月
安い物件を見つけたい→4月~6月、7月~9月
ファミリー向け物件→7月~9月
新築物件をいち早く見たい→10月~12月
住む場所は、一度決めてしまうと多少気に入らない点があってもすぐに次の住居に住み替えるというわけにはいきません。できればじっくり選んで、本当に気に入った部屋に住みたいですね。