photo by Kentaro IEMOTO
南アフリカで最初に感染が確認された、新型コロナウイルスのオミクロン株。感染力がさらに強くなっている、症状は比較的軽いなどと言われていますが、その実態はあまり明らかになっていません。ワクチン接種率の上昇で、規制を緩めていた各国でも新たな緊張を招くことになりました。日本はデルタ株の蔓延の際に厳格な水際対策を取らなかった結果、日本国内の感染者数が上昇してしまったこともあり、今回はすぐに新規入国者の受け入れを停止することを発表しました。この措置は11月30日から1か月の間とされていますが、具体的にはどんな制限があるのでしょうか。
現在日本への入国が許可されている人とは
12月末まで日本は外国人の新規入国の受け入れを停止することになりました。現在日本へ入国することができるのは、次の人たちです。
- 日本のパスポートの保持者
- 外国人の再入国者(特定の国に滞在歴がある場合は入国拒否となります)
- 「特段の事情」がある新規入国外国人
特段の事情とは
新規入国する外国人であっても「特段の理由」がある人は、特別に日本へ入国することができます。しかし、「特段の理由」とは一体どのような事情のことでしょうか。具体例としては、次のようなケースがあります。
- 令和2年8月31日までに再入国許可をもって現在上陸拒否の対象地域に指定されている国・地域に出国した人のうち、その国・地域が上陸拒否の対象地域に指定された後、再入国許可の有効期間が満了し、その期間内に再入国することができなかった人
- 日本人・永住者の配偶者または子
- 定住者の配偶者又は子で、日本に家族が滞在していて、家族が分離された状態にある人
- 「外交」又は「公用」の在留資格を有する又は取得する人
- 日本に住む重篤な病気のある家族を見舞いたい、単独で渡航することが困難な未成年者などの出入国につきそいたいなど、に人道上,真に配慮すべき事情がある人
- ワクチンの開発者など、公共性の高い事情がある人
すでに発給されたビザの効力停止
上で書いた通り、現在日本への入国が許可されるのは「日本国籍保持者」「再入国する外国人」「特段の事情がある人」だけになっています。外国人の新規入国が制限されている現在、2021年12月2日午前0時から2021年12月31日までの間、予防的観点からの緊急避難措置として、「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」又は「外交」のビザを取得する人以外は、2021年12月2日より前に発行されたビザの効力を一時停止しています。発給済みのビザの効力停止になっている国/地域は、外務省のウェブサイトから確認できます。
ビザ免除措置の停止
日本は色々な国と協定を結び、それらの国のパスポート保持者に対してビザなしでも90日間の短期滞在許可を付与する、という特別措置をとっています。しかし、この措置はコロナ禍の現在、一時的に停止になっています。停止期間は明確に決められておらず、当面の間続きます。来日するためには新たにビザを取得しなければいけませんが、今現在は特別な事情がない限り、新規で日本のビザを取得することはとても難しくなっています。観光目的などの短期滞在で来日するためには、もう少し待たなくてはいけないでしょう。ビザ免除措置の対象国で、現在その措置が停止となっている国は外務省のウェブサイトから確認できます。
検疫の強化
現在日本では、最新のオミクロン株をはじめとした新型コロナウイルス感染症の発生状況によって、入国後の自主隔離措置を含む検疫を強化しています。ワクチン接種率の高い諸外国では、入国後の自主隔離を緩和した国も多々ありますが、日本ではまだ14日間の自主隔離が求められています。これに加えて、新型コロナウイルス感染症の拡大規模が大きい国からの渡航者は、日本へ到着してすぐに検疫所が指定する施設での隔離(3日~10日間)が義務付けられ、到着後3日ごとにPCR検査を受けることになります。どのパターンで自主隔離をすることになるかは、渡航者の出発国や滞在履歴によって変わります。どの国/地域がどのような対応になっているかは、外務省のウェブサイトから確認できます。また、各国に対する日本の検疫措置の内容は、状況によって日々変更されるので、渡航前に必ずチェックしておきましょう。
まとめ
11月に南アフリカで発見されたオミクロン株。世界各国に拡大しており、日本でもすでにあちこちで感染が確認されています。この年末年始も確実にコロナとともに暮れて、コロナとともに明けることになりそうですね。オミクロン株の傾向や過去に感染拡大したものとの違いなどがまだ判明しておらず、まだまだ警戒態勢は続きそうです。日本でも先日、年明け以降も現在の水際対策を継続することを検討しているとのニュースが報じられました。来年、新規外国人を再び受け入れることになっても、おそらく自主隔離の対策は継続していくことになるので、来日予定のある人は外務省のウェブサイトなどをチェックしておきましょう。