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日本の山と言えば富士山ですが、山はそれだけでなく実は日本の国土の大部分は山地です。そのため「日本百名山」という本が出版されるほど、日本国内のあちこちに美しい山々が散らばっています。最近のハイキングブームも相まって、国内外から日本の山を訪れる人の数は年々増えています。今回は初心者でも行けて絶景で知られる日本のハイキングコースを7つご紹介します。
蔵王(山形)
宮城と山形の県境にまたがる蔵王連峰。蔵王という単体のやまではなく、宮城県南部の雁戸山から不忘山まで25㎞に渡って連なる一連の山々を指します。蔵王連峰の山は全て1000m越え、1700m以上の山も多くあります。ハイキングコースは「お釜」と呼ばれる火山湖を見るだけの1-2時間のコースから、8時間以上かけて山の稜線を歩くものまで様々。また、冬季には樹氷を見るスノーシュートレッキングもあります。遊歩道を少し散歩する軽いものではなく本格的なハイキングを楽しみたい人は登山届の提出をお忘れなく!
尾瀬(福島、新潟、群馬、栃木)
おそらく日本でもっとも有名なハイキングコース、尾瀬。その美しい自然の風景は「夏の思い出」という歌にも歌われています。尾瀬国立公園は福島、新潟、群馬、栃木の4県にまたがる標高1400mから1700mのところにあります。瀬ケ原と尾瀬が沼では高山湿原特有の珍しい動植物が見られ、特に夏に咲くミズバショウの花は有名です。尾瀬のハイキングコースは2-7時間の日帰りコースから、山小屋に宿泊しながら数日掛けて景観の美しいスポットを巡るコースまでたくさんそろっています。アクセスは関東地方からなら群馬県側、尾瀬沼に最短で行きたいなら福島県側からがおすすめです。
中山道(長野、岐阜)
中山道は江戸時代に作られた旅の五街道のうち、江戸と京を結ぶ内陸路です。長野県の南木曾から岐阜県の落合宿の間には中山道自然遊歩道が整備されており、人気のハイキングコースになっています。特に妻籠宿から馬籠宿までの9㎞は美しい景色と古き良き日本の街並みが、江戸時代の旅の様子を感じさせてくれます。最も高い位置にある馬籠宿は標高800mで、長野県側からの道は比較的険しく岐阜県側からの道は緩やかになっています。
熊野古道(和歌山)
紀伊半島の南に位置する熊野地方は古来山岳信仰の中心として知られ、熊野三山と呼ばれる熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社に続く参詣道である熊野古道には古くは巡礼者、今ではハイキングを楽しむ人たちがたくさん訪れます。熊野古道は4県にまたがる広大なエリアに広がっており、ハイキングコースも7㎞ほどの初心者向けコースから1000mの峠越えを含む上級者コースまで様々。聖地としてたくさんの巡礼者たちを魅了してきた熊野の大自然に癒されること間違いなしです。
高尾山(東京)
大都会のイメージのある東京ですが、意外と自然は近くにあります。高尾山は都心から電車でたったの1時間でアクセスできるハイキングスポット。標高600mの低山ながら電車でのアクセスがよく1年を通してハイキングが楽しめます。山の中腹までロープウェイでアクセスして登る1-2.5㎞のコースが3つ、高尾山口から登り始める3-4㎞のコースが3つあります。山頂からの景色は美しく、特に空気の澄んでいる冬場には富士山が望めることもあります。
阿蘇山(熊本)
熊本県北部に位置する阿蘇山は、緑の草に覆われた世界最大級のカルデラ大地と雄大な二重火山のある美しい山です。火口の周りには高岳、中岳、根子岳、烏帽子岳、杵島岳からなる阿蘇五山があり、それぞれ違った景観を見せています。最も高い高岳は標高1500m、その他の四山も1300mを超える山々でハイキングコースは全てそれなりの体力を要します。昨今の大雨の影響などで一部通行止めになっているルートもあるため、事前の確認が必要です。また、忘れてはならないのが阿蘇山は活火山だということ。登山前には必ず火山情報を確認し、登山届を提出しましょう。
三嶺(徳島、高知)
四国の最高峰・三嶺の標高は1900m。非常に山深いところにあり原生林がたくさん残されている様子は、まさに「秘境」と呼ばれるにふさわしい景観です。標高の高い山頂付近には樹木はほとんど生えておらず、周りの景色を一望できます。この山のハイキングコースは最短でも登山口から8.7㎞の6時間コースと、長距離のものばかり。また人里離れているため登山道もあまり整備されておらず、中級から上級者向けの山です。数日掛けて登山を楽しむ人用の山小屋やシェルターがいくつかあり使用できます。
まとめ
山が多い日本の地形。実に国土の7割を山が占めています。それだけに日本全国どこへ行っても山があり、ハイキングコースには事欠きません。今回ご紹介した7つのハイキングコースは特に景色がいいことで人気のスポットばかり。また、これら以外にもまだまだ素晴らしいハイキングコースが日本全国に散らばっています。日本には通年登山のできる山もたくさんあるので、装備を整えて山登りに出かけてみてはいかがでしょうか。