雪を求めて地球を半周?外国人だらけのニセコとは

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Photo by Mark Lehmkuhler

日本全国に点在するスキー場の数々の中でも、今や日本で最もインターナショナルなリゾート地と言えるのが北海道のニセコです。街を歩いていて耳に飛び込んでくるのは日本語よりも英語、中国語、韓国語。看板やメニューは英語ばかり、外国人向けのスーパーマーケット&デリまで存在し、自分が日本にいるという感覚を失いそうになるほどです。ニセコに魅せられたスキーヤー、スノーボーダー達は口を揃えて「ここは天国」「何度でも訪れたくなる」と絶賛しています。数あるスキーリゾートを抑えてニセコが一人勝ちしている理由は何でしょうか。その人気の秘密を探ります。

 

降雪の多さと上質なパウダースノー

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Photo by Michael Holler

ニセコは世界で2番目という圧倒的な降雪量を誇ります。シベリア方面から吹いてくる季節風が日本海を渡るときに湿気をたっぷり抱え、これが山々にぶつかることによって大量の雪を降らせる為です。季節風に乗ってやってきたシベリア寒気はとても冷たいので、降る雪は乾いてさらさらした雪質、いわゆるパウダースノーとなります。あまりに軽すぎて雪玉や雪だるまを作ろうとしてもサラサラと崩れて固まらないほど。人里に近い場所でパウダースノーが積もる地域は世界でも極めて珍しく、この雪の上でシュプールを描きたい一心で世界各地からスキーヤーが押し寄せているのです。

 

様々な難易度のコースを楽しめるニセコユナイテッド 

北海道一の豪雪地帯として名を馳せる標高1,308メートルのニセコアンヌプリ山には4つのスキー場が並んでおり「ニセコユナイテッド」と名付けられています。各スキー場をフリーパスで自由に滑走でき、頂上付近で他のスキー場へのアクセスもできるのでとても便利。ビキナーもエキスパートも満足できる各スキー場を簡単にご紹介します。

ニセコHANAZONOスキー場

山の東斜面に位置するスキー場。なだらかな中腹は初級者の練習に最適で、ゴンドラを利用して山頂に登れば中・上級者向けのコースも楽しむことができます。スキーやスノーボードの様々な技にチャレンジできるHANAZONOパーク、キッズアクティビティが充実していて動く歩道「マジックカーペット」完備のHANAZONOボウルも人気。

ニセコグラン・ヒラフスキー場

ニセコユナイテッドの中で最も規模が大きいスキー場。コース数は30種類にも及び、最大斜度は40度、最長滑走距離も約5.6kmととても長いので、ロングランも楽しめます。初心者から上級者まで幅広いレベルの人が満足できるエリアです。

ニセコビレッジスキー場

世界的なアワード、「ジャパン・ベスト・スキーリゾート」部門最優秀賞を2013年と2014年に連続受賞。原生林の間を滑る林間コースが特徴で、比較的中・上級者向けのダイナミックで斜面変化の多いロングコースが揃っています。ゲレンデサイドには2つのリゾートホテルが建ち、ホテルの目の前にゴンドラ乗り場があります。

ニセコアンヌプリ国際スキー場

南斜面に位置する、初心者におすすめなスキー場。他のスキー場に比べて斜面が緩やかで広いコースが多く、ゆったりした雰囲気の中でスキーを楽しめます。長い距離を無理なく滑ることができるので上達しやすく、子ども連れにも最適です。

ニセコユナイテッド公式サイト: http://www.niseko.ne.jp/ja/

 

冒険心を刺激するバックカントリーエリア

バックカントリーとは、ゲレンデのコース外を滑ること。雪崩や遭難のリスクが高いため、日本のスキー場では禁止にしているところがほとんどです。ニセコでもかつては全面禁止でしたが、年々高まるバックカントリー人気を考慮して、「ニセコルール」という安全上のルールを導入することで自己責任での滑走が認められるようになりました。リフトを使って山頂まで登った後に9つのゲートからバックカントリーフィールドにアクセスできるので、雪の中を必死に歩いて上がらなくても、手つかずの自然の中でフレッシュなパウダーを堪能することができます。ニセコにはバックカントリー専門のガイドやツアーが数多くあり、レベルやその日の天候に合わせて案内してくれます。ガイドによっては雄大な自然の中で滑っている姿を撮影してくれるサービスも。くれぐれも事故には気を付けて、ゲレンデではできないすばらしい滑走体験を味わってみましょう。

 

充実したアフタースキー

アフタースキーも充実しているのがニセコの嬉しいところですが、やはり筆頭は温泉巡り。ニセコ連峰山麓には15の温泉地が集まっており、様々な泉質のバラエティ豊かな温泉が揃っています。疲れた体を癒してくれる、自分にぴったりの温泉を見つけましょう。また最近はスパやエステ、マッサージのサービスを提供している施設も増えています。そして豊かな自然を誇る北海道のグルメを堪能するのもニセコリゾートの楽しみの一つ。ニセコにはたくさんの飲食店があり、ジンギスカン、蟹や牡蠣などのシーフード、スープカレー、ラーメンなど、好みに応じて様々なグルメが味わえます。夜遅くまで開いている居酒屋やバーも多く、ライブイベントやクラブパーティも頻繁に行われていて、たくさんの外国人旅行客がナイトライフを楽しんでいます。

 

アクセスの良さ

雪質や設備などのスキーリゾートとしての魅力以外にも、オーストラリアや中国、韓国から新千歳空港までの直行便があり、空港からはスキーバスで楽々各スキー場に行くことができる、アクセスの良さもまた人気の秘密です。最近では東南アジアからの直行便が就航し、今まで来ていなかった層のタイやマレーシアなどの人々も増えて、ますます多国籍化してきました。更に、ニセコを訪れる外国人の中で大きな割合を占めるオーストラリア人にとっては、比較的長期間休める夏の休暇の間に訪れることができることと、時差が少なく体への負担が軽いことも、ニセコのリピーターとなる大きな理由となっているようです。

 

街をあげてのおもてなし

日本語がわからなくてもストレスが少ないという点も外国人がニセコに来やすいポイントです。レストランのメニューやスキー場の看板などは英語表記は当たり前、飲食店・宿泊施設でも英語で応対できるスタッフが揃い、どこに行っても英語が飛び交っている状態です。最近では輸入食材を主に扱うスーパーマーケット&デリもオープンし、コンドミニアムなどで長期滞在型リゾートを楽しむ外国人を喜ばせています。ニセコ町役場のホームページやニュースレターは多言語対応しており、役場でも多くの外国人職員を雇用して日本語が話せない外国人に応対したり外国人観光客の誘致に知恵を絞ったりと、町全体で外国人ウェルカムの雰囲気を盛り上げています。そんなニセコに惚れこんでそのまま住み着いてしまった外国人も少なくありません。

 

まとめ

雄大な景色の中で最高のパウダースノーの上を滑るという魅力に取りつかれた人達が、地球の反対側から続々と押し寄せているホットなスポット、それがニセコ・リゾートです。リピーターや移住者が続出している理由を、ぜひ一度自分の目で確かめてみてはいかがでしょうか?もしウィンタースポーツが苦手でも、ニセコの武器はスキーやスノーボードだけではありません。ラフティング、トレッキング、乗馬にゴルフなど多彩なアクティビティが揃っているので、北海道の大自然をオールシーズン楽しむことができますよ。

 

 

磯山ゆきえ

この記事を書いた人

磯山ゆきえ 磯山 ゆきえ

気ままな海外一人旅が好きです。外から見たこの国の姿を意識しながら、日本に関する楽しい話題をお届けできたらと思っています。

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