2/22は忍者の日。全国のNINJAスポットを集めました

忍者

photo by Dominic Alves

その神秘的な存在感で外国人を魅了し続けている「忍者」。映画「ラストサムライ」「ミュータント・タートルズ」や、アニメ化もされた漫画「NARUTO」などで忍者について興味を持ち、もっと深く彼らについて知りたいと思っている人も多いでしょう。実は2015年10月に日本忍者協議会(Japan Ninja Council)が設立され、2月22日が「ニンニンニン」の語呂合わせで「忍者の日」に制定されました。今や忍者は日本を代表するクールコンテンツとして、国内外から熱い視線が注がれています。今回は、本や映像作品だけでは物足りず、よりリアリティのある忍者体験を求める外国人の為に、忍者の世界を体感できる全国各地のスポットを集めてみました。もしかしたら本当の忍術を覚えられるかもしれません。

 

忍者についての基礎知識

忍者

photo by go.biwako

忍者とは、忍術と呼ばれる特殊な技術を駆使し、人目に触れないように身を隠しながら敵国への侵入、情報収集、時には破壊や夜討、暗殺などを行っていた人達です。最も重要な役目は敵方の状況を主君に伝えることで、現代でいうところの諜報機関のエージェントのような役目を担っていました。戦国時代には主に伊賀・甲賀の忍者組織が闇の実行部隊として活躍したと言われています。しかし忍者という存在は、影に忍び、名を残すことなく散っていくことが良しとされていたため、その実態はあまり知られていません。詳細な記録は残されておらず、漏れ伝わってくる情報を元にして物語や演劇で多少の演出を加えた忍者のイメージが形作られ、それが現代において強く根付き世界に広がりました。海外では忍術を武術の一種としてとらえている人も多いですが、実際に五感を研ぎ澄ますためには過酷な修行が必要だったと伝えられています。たとえ自分の名前が表舞台に出ることがなくとも、「忍」の字のごとく耐え忍んで与えられた任務をこなし、最終的に大きな仕事を成し遂げるという忍者の精神は、まさしく日本人の目指す生き方そのものと言えるでしょう。

 

【三重県】伊賀流忍者博物館

忍者の聖地伊賀に位置する、忍者三昧を味わえる博物館。入館するとまずは「どんでん返し」「抜け道」「隠し戸」などの仕掛け・からくりを備えた忍者屋敷をくノ一(女忍者)が案内してくれます。忍術体験館では本物の手裏剣を含む400点以上の忍具が展示されており、ミニシアターで忍者が城へ潜入する術が紹介されています。忍者の生活を紹介する忍者伝承館では暗号、九字法、人相学など現在でも通用する忍術の数々を知ることができます。そして一番の人気は「伊賀忍者特殊軍団 阿修羅」による忍術ショー。実際に使用されていた忍具を用いた本格的な立ち回りの中にコミカルな演出も混じえ、毎回拍手喝采を浴びています。別料金で手裏剣打ち体験のメニューもあり、手裏剣は「投げる」のではなく「打つ」ものだということを実感できます。ここ数年で外国人の入館者数が急増中で、公衆無線LANを完備し、英語や中国語が堪能なスタッフを配置するなど、細やかな対応を進めています。
なお伊賀上野観光協会では、忍者ツアーを開催中です。忍者装束に身を包み、渡された密書に従って様々な忍務をクリアするという新たな旅の形に、外国人の参加希望が殺到しているそうです。

伊賀流忍者博物館

住所:三重県伊賀市上野丸之内117
営業時間:9:00~17:00
入館料:大人756円 小人432円 忍者ショーは1人300円

 

【滋賀県】甲賀流忍術屋敷

もう一つの忍者のふるさとで、伊賀と対をなすのが甲賀です。江戸時代に建てられたこちらの屋敷は、甲賀流忍者五十三家の筆頭格、望月出雲守の住居であり、なんと日本全国でもここにしか残されていない本物の忍者屋敷なのです。一見ただの古い民家ですが、中にはお馴染みの「どんでん返し」や「しのび窓」「落とし穴」などのリアルな仕掛けが満載。そしてただ眺めるだけではなく、実際に触って登って体験できるのが大きな魅力です。かつて本物の忍者が登ったかもしれない隠し梯子を登ったり、謎解きをしたりと、本当の忍者になって潜入したような気分を味わうことができます。
なお同じ甲賀市内には、忍者の修行ができる「甲賀の里 忍術村」もあります。ここでの一番人気は9種類の忍者体験ができる忍者道場で、無事全ての忍術修行が終わると免許皆伝の書がもらえるとか。年に一度、忍者としてのスキルを競う全日本忍者選手権大会も行われています。

甲賀流忍術屋敷
住所:甲賀市甲南町竜法師2331
営業時間:9:00~17:00
入館料:大人650円 小人350円

 

【長野県】戸隠民俗館・戸隠流忍法資料館・忍者からくり屋敷

戸隠流忍術は知る人ぞ知る、現存する忍術流派のひとつです。世界中の道場で10万人を越える人々が戸隠流忍術を学んでおり、日本よりも欧米の方が門下生が多いと言われています。そんな戸隠流忍法と戸隠の郷土の歴史を知ることができるのがこちらの複合施設です。実際に使われた手裏剣やまきびしなどの忍具500点、写真パネル200点などの多彩な資料も興味深いですが、特に外国人を夢中にさせるのが「からくり屋敷」です。靴を脱いで屋敷の中へ入ると、いきなり行き止まりにぶつかり、部屋を探って隠し扉を発見できた者だけが次の部屋に進めるという仕組みになっています。そのような部屋が続く迷路のような館には、凝った仕掛けやからくりがあちこちに施してあるため、脱出できない人が続出。知らないお客さん同士が協力して知恵を絞って出口を探し、どうしても出て来られない人はモニターで見ていたスタッフが迎えに行くそうです。写真撮影が禁止されている為に謎に包まれているこの屋敷の手強さをぜひ一度体感してみて下さい。
家族連れならレンタル忍者装束を着て修行の森アスレチックや忍者スラロームなどでたっぷり遊べる「チビッ子忍者村」も一緒にどうぞ。

戸隠民俗館・戸隠流忍法資料館・忍者からくり屋敷
住所:長野市戸隠3688-12
営業時間:4月から11月のみ営業 9:00~17:00
入館料:大人600円 小人400円(3館共通)

 

【京都府】NINJA DOJO and STORE

京都の忍者関連スポットというと、派手な忍者ショーや立体迷路「忍者の砦」、からくり屋敷などを備えた「東映太秦映画村」の名前がまず第一に挙がりますが、京都へ観光に来る外国人たちから最近熱い注目を浴びているのが、2015年にオープンしたばかりのこの施設です。忍者の精神を現代に伝えるスタイリッシュな道場では、手裏剣や吹き矢を使った忍者修行体験ができます。九字の印が持つ深い意味を学び、道場に隠された抜け穴や隠し武器などの説明を聞いた後は、魅惑のお買い物タイム。ショップでは様々な形の手裏剣や忍者刀、苦無、まきびしなどの武器や道具、衣装や雑貨なども含めた他では見られない忍者グッズを多数取り揃えており、修行で乾いた喉を忍者ビールや忍ジャーエールで癒やすこともできます。京都の中心部という立地もあって訪れるお客の9割は外国人で、公式サイトやFacebookも英語オンリー。希望すれば英語でレクチャーしてもらえるので、日本語が全くわからなくても臆することなく忍者体験を味わえます。

NINJA DOJO and STORE
住所:京都市下京区白楽天町528 2F
営業時間:10:00~18:00
入館料:無料

 

手軽に忍者気分が味わえる首都圏のスポット1 NINJA AKASAKA

なかなか地方まで足を伸ばせないという方へ。ここは名前の通り忍者をコンセプトにしたエンターテインメントレストランです。入店するとくノ一の案内で薄暗い修行道を歩き。隠し扉などの様々な仕掛けをくぐり抜けて個室へ通されます。忍のテイスト溢れる演出を加えた創作料理を味わい、上級忍者による忍術のデモンストレーションで盛り上がって、退店の際にもサプライズありと、最初から最後までワクワク感に満ちた時間を楽しむことができます。ベジタリアンや豚肉抜きのコースも用意されているのが嬉しいところ。忍者装束でおもてなししてくれるスタッフ達は皆英語に堪能で、英語メニューも完備されています。店内はあこがれの忍者屋敷ディナーを体験しにきた外国人客で常に賑わっています。

NINJA ASAKAKA
住所:東京都千代田区永田町2-14-3 赤坂東急プラザ1F
電話:03-5157-3936(問い合わせ用)050-5570-6974(予約専用)
営業時間:月~土 17:00~25:00  日・祝 17:00~23:00

 

手軽に忍者気分が味わえる首都圏のスポット2 忍者カプセル 忍

上でご紹介した大満足間違いなしのレストラン「NINJA AKASAKA」は、外国人ビジネスマンの接待御用達なだけに価格設定がお高めなのが悩みどころです。予算的に厳しい人は宿泊費用をリーズナブルに抑えてバランスを取るために、カプセルホテルという選択肢も考えてみてはいかがでしょうか。ちょうど横浜に新しく登場して話題になっているのが、忍者をモチーフとしたカプセルホテルです。畳敷きの床、手裏剣やくノ一の姿をモチーフにした内装など、「忍」の雰囲気がふんだんに盛り込まれた部屋が12室限定で用意されています。もちろんカプセルということで多少の狭さを我慢する必要はありますが、手頃な価格で宿泊でき、忍の世界に入ったような気分を味わえる貴重なホテルとして人気を集めています。

ビジネスインニューシティ 忍者カプセル
住所:横浜市中区福富町西通り53
電話:045-231-3726

 

まとめ

2016年の「忍者の日」には全国100箇所近くで忍者関連イベントが開催されました。「お台場NINJA TOWN」プロジェクトの構想もスタートして、ますます盛り上がりつつあるNINJAワールド。忍者が架空の存在ではなく、本当に歴史上に実在して歴史の転換に陰ながら関わってきたという事実は、今回ご紹介したスポットで忍者について深く知ることで、より説得力をもって実感できるはずです。現代にもひっそりと残る忍者の隠れ里を訪れて、日本人も今改めて学ぶべき「忍者の美学」を実地で学んでみてはいかがでしょうか。

 

 

磯山ゆきえ

この記事を書いた人

磯山ゆきえ 磯山 ゆきえ

気ままな海外一人旅が好きです。外から見たこの国の姿を意識しながら、日本に関する楽しい話題をお届けできたらと思っています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>