遊びも仕事も勉強も!欲張りなビザ「ワーキング・ホリデー」とは

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ワーキング・ホリデーやワーホリという言葉、一度は耳にしたことがあるという人は多いと思います。でも実際にどんな制度なのか、どういう人がその制度を利用できるのか、詳しくご存知でしょうか。年齢と行きたい国がうまくマッチすれば、多くのことを一度に楽しめる欲張りなビザの制度、それがワーキング・ホリデーです。ワーキング・ホリデーの基本の「き」を知りたい人の為に、簡単にご紹介します。

 

ワーキング・ホリデーってどんな制度?

ワーキング・ホリデー (ワーホリ) とは、ワーキング・ホリデー協定を結ぶ特定の国の若者を対象とした特別なビザの制度です。旅行や語学学習、異文化交流など海外での生活を楽しみながら、滞在中の生活資金を補う為に現地で働くことも認められます。就学・就労などに関する決まりは国によって異なりますが、それを守っている限りは1年間の滞在期間中はどのように過ごしてもOKです。ワーキング・ホリデー制度の目的の一つは「国際的な視野を持った青年の育成」なので、この制度を利用するには一定の年齢でなければいけません。日本を含む多くの国では18歳~30歳を対象としています。ビザ申請方法や申請条件は国ごと、年度ごとによって大きく異なり、常に変化しています。オンラインで全て手続きが完了する国、大使館に書類を持参しなければいけない国、定員が設けられている国、面接や抽選がある国など、千差万別です。申請する際には、必ず協定国の大使館や領事館等の公式HPで「ワーキング・ホリデー・ビザ申請要項」を確認して早めに手続きをしましょう。

日本政府の大使館・領事館リスト:http://www.mofa.go.jp/mofaj/link/zaigai/index.html

 

日本とワーキング・ホリデー協定を結んでいる国は

日本で初めてワーキング・ホリデーという仕組みが始まったのは1980年のことで、最初はオーストラリアとのみ協定が結ばれていただけでした。続いてニュージーランド、カナダとどんどん対象国が広がっていき、現在日本政府との間でワーキング・ホリデー制度を実施している国は、以下の15か国になります。

アジア

韓国、台湾、香港

ヨーロッパ

カナダ、フランス、ドイツ、イギリス、アイルランド、デンマーク、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スロバキア(2016年6月~)

オセアニア

オーストラリア、ニュージーランド

国の数は今後さらに増えていく予定です。一定の条件を満たしたこれらの国の出身者であれば、自国で必要な手続きをすることによって「ワーホリで日本を訪れる」こと、またはその逆が可能になります。

 

ワーキング・ホリデー・ビザ発給の条件

ビザを取得するにはもちろん条件があります。主なものは以下の通りです。

  • 協定国に住んでいる、協定国の国民・住民であること。
  • 一定期間対象国において主に休暇を過ごす意図を持っていること。
  • ビザ申請時の年齢が18歳以上30歳以下であること。
  • (オーストラリア、カナダ、韓国との間では18歳以上25歳以下ですが、それぞれの政府が認める場合は30歳以下まで申請が可能になります)
  • 子供など身内を同伴しないこと。
  • 有効なパスポートと帰りの航空券(又はその購入資金)を持っていること。
  • 滞在の最初の期間に生活していけるだけの資金を持っていること。
  • 健康であること。
  • 以前にこのビザを発給されていないこと。

注)国・地域によって査証発給要件に多少の違いがあります。詳細はそれぞれの国の大使館等へ確認しましょう。

 

申請に必要なもの

外国人が日本に滞在したい場合は自国の日本大使館に、日本人が外国に滞在したい場合は原則として駐日外国公館等で申請を行います。ビザの申請にあたって主に必要になるものは下記の通りです。なお、国によっては申請料金が設定されています。

パスポート

有効期間が1年以上残っていることを確認しましょう。

申請用紙

漏れのないよう記載します。様式はホームページからダウンロード可能です。

本人の顔写真

規定のサイズにカットしておきます。申請用紙に貼付する必要がある場合は綺麗に貼っておきます。

滞在中の計画表

必ずしもこの通りに行動しなければいけないわけではありませんが、滞在中のスケジュールをある程度事前に組み立てておく必要があります。

履歴書

学歴や職歴、来日の経験などを記した書面を提出します。様式が決まっている場合はそれに従いましょう。

ビザの申請理由を説明した書面

なぜ自分がワーキング・ホリデー・ビザの取得をしたいかの理由や意気込みを記載します。

充分な預金を所持することを示す銀行の証明書

帰りの航空券の証明があるかどうかで目安となる金額が違ってきます。

 

ビザの申請から入国までの流れ

わかりづらいですが、ビザの有効期間は「申請から1年」ではありません。ビザを申請し、問題なく受理された場合に受け取る「ビザ発給通知書」にまず1年間の有効期限があります。それを持って相手国に渡り、入国審査員によって審査されて、OKならそこから1年間有効のビザが発行されるという仕組みになっています。申請が通った後実際に相手国に渡るまでに1年間の猶予があるので、余裕をもって準備を進めることができるのが嬉しいところです。簡単な流れとしては以下の通りになります。

ワーキング・ホリデービザ申請

ワーキング・ホリデービザ発給通知書の受理

(ビザ発給通知書の1年間の有効期間)

相手国へ渡航(入国審査時に実際のワーキング・ホリデー・ビザが発給)

(1年間のビザ有効期間)

ビザの効力終了、帰国へ

ビザ発給年齢の上限については、「オーストラリアはビザの申請手続きを31歳の誕生日前にしてさえいればOK」「カナダは申請→抽選されオンライン招待状が届いた時点で31歳になっているとアウト」など国によって微妙に異なるので、年齢的に不安がある場合はあまりギリギリまで悩まずに余裕を持って申請した方が良さそうです。

 

ワーキング・ホリデーの魅力は「働けること」

ワーキング・ホリデーの第一の目的は「休暇を過ごすこと」であり、「両国間の若者同士の相互理解、友好関係の促進」になるので、名前に「ワーキング」とついていても必ず働かなくてはいけないわけではありません。生活費や旅費を補うために一時的に働く必要があるならしてもいいよ、という許可が与えられているだけであって、可能なら期間中ずっと一切働かずに遊びまわっていても特に問題はないのです。とはいえ、観光したいなら観光ビザ、語学を学びたいなら留学ビザなどを比較的簡単に取ることができますが、ハードルの高い就労ビザなしで現地で働くことができるのは大きな魅力です。仕事を通じてその国に溶け込み、より深く文化や生活習慣を学ぶことができる、それこそがワーキング・ホリデーの大きな価値と言えます。そしてワーキング・ホリデー・ビザを取得できるのは1つの国につき人生で一度だけ。せっかく得た貴重な機会ですから、メリットを最大限に活用したいものです。なお、バー、スナック、キャバレー等のいわゆる「夜のお仕事」の就労は認められないので気をつけましょう。

 

まとめ

アクティブな海外生活を体験するために、もし国籍と年齢が許すのであれば、旅行でも留学でもない、ワーキング・ホリデーという方法も選択肢の一つに加えてみてはいかがでしょうか。自分自身で好きなようにその1年間をデザインできることがワーキング・ホリデーの素晴らしいところであり、この自由度を与えてくれる制度は他にはありません。働くことを含め多様なライフスタイルを楽しめるワーキング・ホリデーをうまく活用することができれば、新たな人生が開けるかもしれません。

 


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磯山ゆきえ

この記事を書いた人

磯山ゆきえ 磯山 ゆきえ

気ままな海外一人旅が好きです。外から見たこの国の姿を意識しながら、日本に関する楽しい話題をお届けできたらと思っています。

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