仕事や家庭の都合で家を空けている間に郵便物が届くというのはよくある話です。何も言わなくても後日配達に来てくれる宅配業者と違って、郵便局の荷物の場合は再配達の依頼をしない限りは永遠に届きません。日本語が苦手だと少しハードルが高く感じる再配達の申し込みですが、方法を選べばそれほど手間はかからないのをご存知でしょうか。今回は外国人にもわかりやすい郵便物の再配達申し込み方法についてご紹介します。
郵便局の再配達申し込みとは
郵便局が配達を担当する郵便物の中で、受け取りの印鑑やサインが必要になるゆうパック(小包)や書留郵便、国際スピード郵便(EMS)、郵便受けに入らないサイズの定形外郵便などは手渡しとなりますが、その時に受取人宅に誰もいない場合は「不在配達通知書(ご不在連絡票:不在通知書:郵便物等お預かりのお知らせ)」という1枚の紙が郵便受けに入ります。その紙に書かれた情報を元に、「もう一度配達してください」と郵便局に依頼するのが「再配達の申し込み」手続きです。再配達を依頼する方法は複数用意されており、自分の都合のいい配達日を指定したり、自宅以外の住所への配達を頼んだりすることも可能です。なお、受取人不在の郵便物は、配達を担当する郵便局で7日間保管され、期間内に受取人に配達できない場合は、差出人に返送されてしまうので、早めに再配達の手続きを済ませましょう。
不在配達通知書の見方
地域によって多少フォーマットが変わりますが、こちらが一般的な不在配達通知書の見本となります。小さな文字でかなりの量の情報が詰まっていますが、実は特に重要な部分はごく一部なので、それぞれについてご説明します。まずは「追跡番号」ありのパターンです。
A: 郵便番号:受取人の郵便番号です。
B: 種類番号:書留なのか、小包なのかなど、郵便物の種類を表す2桁の数字です。
C: 追跡番号(お問い合わせ番号):その郵便に固有の11~13桁の番号です。
D: 配達日時:最初に配達されて不在だった日時です。
これらの情報は配達員が用紙に直接書き込んでいる場合も、レシートのような薄い紙に印字されて貼り付けられている場合もあります。
次に、「追跡番号」ではなく「お知らせ番号」が記載されたパターンもご紹介します。
A: 郵便番号:受取人の郵便番号です。
B: 種類番号:書留なのか、小包なのかなど、郵便物の種類を表す2桁の数字です。
D: 配達日時:最初に配達されて不在だった日時です。
F: お知らせ番号:その郵便に固有の6桁または8桁の番号です。
なおどちらの書式でも、「配達日時」のすぐ下にある日付はその荷物が郵便局で保管される期限を表しています。
再配達の方法(1) コールセンターに電話する(英語OK!)
日本郵便では郵便についての問い合わせに英語で対応しています。不在配達通知書の読み方がよくわからない時など、他の方法で依頼するのに不安がある場合には、この制度を利用しましょう。手元に通知書を用意して、受付時間内に電話をかけてください。
Tel. 0570-046-111
受付時間:月曜日~金曜日の8:00~22:00、土曜・日曜・祝日の9:00~22:00
再配達の方法(2) インターネットで再配達を依頼する
日本郵便の「配達のお申し込み受付」ページで再配達の依頼を申し込むことができます。残念ながら英語ページは用意されていませんが、最近になってそれぞれの項目に英語表記が追加され、外国人にも敷居が低くなりました。項目別に入力する内容をご説明します。上の「不在配達通知書の見方」で使用したアルファベットA~Fをそのまま対応させてご覧ください。
A:受取人の郵便番号
C:不在配達通知書に11~13桁の「追跡番号(お問い合わせ番号)」が記載されていた人は左の欄
F: 6または8桁の「お知らせ番号」が記載されていた人は右の欄
にその数字を入力します。ハイフンは入れずに数字を続けて入れましょう。
D: 最初に配達された日時をプルダウンで選択します。再配達希望日ではないので注意。
B: 郵便物の種類を入力します。不在配達通知書で郵便番号の右にある2桁の数字(下のB参照)を見て、その欄の右にある種類番号の説明(黄色で囲んだ部分)と同じ文字を選んでチェックを入れます。
次に配達先を選択します。
1: ご自宅
2: ご近所様に配達
3: 勤務先に配達
4: 配達を担当している郵便局の窓口でお受け取り
5: 他の郵便局の窓口で受け取り
「ご近所様に配達」(2)や「勤務先に配達」(3)を選ぶと、自宅以外の場所に配達してもらえます。その場合は次の画面で配達先の住所を入力する必要があります。再配達してもらうより自分で窓口に取りに行きたい人は、「配達を担当している郵便局の窓口でお受け取り」(4)か「他の郵便局の窓口でお受け取り」(5)を選べばOKです。
ここまで入力が終わればあと少しです。ページの下にある赤いボタン2つのうち、左側の「次に進む」をクリックすると、次のページで再配達してほしい日時の選択と、受取人の名前や連絡先、メールアドレスを入力する画面が出てきます。こちらには何を入力するべきかの説明が英語で添えられているので安心です。入力が終われば申し込みは完了となります。
再配達の方法(3) 郵便・FAXで再配達を依頼する
手元にある不在配達通知書の「郵便またはFAXによる受付」(水色で囲んだ部分)に必要事項を記入してポストに入れるかFAXで送れば、指定した時間に再配達してもらえます。記入する部分は次の通りです。
①: 受取人の電話番号を記入します。
②: 希望の配達日を記入し、希望の時間帯にチェックを入れます。午前中、午後、午後、夕方、夜間、時間帯希望なしと分類されています。
③: 自宅以外の場所への配達を希望する人だけが記入する欄です。「勤務先に配達(背景がピンクの部分の一番上)」か「ご近所の方に配達(背景がピンクの部分の中央)」にチェックを入れて住所、氏名、連絡先を書いておけば、自宅以外の受け取りやすい場所に配達してもらえます。また、左下の「他の郵便局の窓口で受け取り(背景がピンクの部分の一番下)」にチェックを入れて郵便局の名前を記入すると、勤務先の最寄りの郵便局等で受け取ることも可能です。
④: FAXで送信する人だけが記入する欄です。自分の氏名と追跡番号をこちらに記入しておきます。
まとめ
オーストラリアなどの一部の国では再配達の制度がなく、不在時に届いた荷物は郵便局の窓口まで自分で取りにいかなければならないことを考えると、電話やインターネットなどで再配達を頼んで家にいながらにして受け取ることができるのは日本の郵便システムの大きな魅力といえます。一見わかりづらい不在配達通知書も慣れれば必要な情報がすぐに見つけられるようになるので、便利な再配達サービスをぜひ活用しましょう。