おいしい日本の秋。今、食べておきたい旬の食べ物とは

和食
photo by sayo ts

夏の猛暑もすっかり去り台風シーズンもひと段落、もうすっかり秋ですね。「食欲の秋」「天高く馬肥ゆる秋」などの言葉が表す通り、秋はとにかく食べ物がおいしい季節。特に農作物は秋が収穫ラッシュで、旬の野菜やフルーツがスーパーの野菜売り場などにたくさん出回ります。また魚介類にも秋が旬のものが多く、料理屋などでは秋限定のメニューを打ち出すところも多数。今回は日本にいる間にぜひ食べてほしい秋が旬の食べ物をご紹介します。

 

新米

rice

photo by demyan biglove

日本語を勉強したことのある人はご存知と思いますが、日本語で「ご飯」といえば炊いた白米のことですね。そして日本人は「食事を摂る」という意味で「ご飯を食べる」という表現をよく使います。このことからもわかる通り、米は日本人の食事の根幹をなす重要な食材。秋は稲の収穫時期ですので、各地方からその年の新米が続々と出荷されます。早いところでは8月ごろから出荷が始まり、9月10月が出荷のピークです。比較的長期間に渡って保存できる食材ですが、ふっくらツヤツヤと炊けた新米の味は特別おいしく感じます。ちなみに新米とは収穫年の12月31日までに精白・包装された精米のことを指します。前年以前に収穫された米と新米を見分けることは難しいので、パッケージにはきちんと「新米」と表記されています。

 

柿

photo by Robert Otani

最近ではアジア圏以外の海外の野菜売り場でも見かけるようになった柿。酸味や癖のない柔らかい甘みが特徴の柿は、日本ではだいたい10月ごろからが旬。一口に柿といっても、次郎柿、御所柿、平核無柿、西条柿など、日本全国あちこちで多数の品種が生産されています。その中で大まかに分けると、木になったものを収穫してそのままの状態で食べられる「甘柿」と、収穫時には渋みが強くて食べられないので脱渋してから食用になる「渋柿」があります。通常はお店で買ってきた柿を切ってそのまま食べるのが一般的ですが、ジャムやピューレにして保存したり、砂糖の代わりの甘味料としてお菓子などに使ったり、サラダに加えたりといろんな食べ方が楽しめます。また、渋柿は乾燥させて干し柿にすると渋みが抜けて甘みが増すので、おやつとして人気です。

 

サンマ

秋刀魚

photo by Mayuki Sawatari

「秋刀魚」と書くその名の通り、秋にとれるたっぷりと脂ののったサンマは秋の味覚の代表格。塩焼きにして大根おろしと一緒にいただいたり、新鮮なサンマなら刺身にしたり。EPA、DHAを多く含み健康にいい上に安価な点も人気の理由です。塩焼きにする場合はサンマを一匹丸ごと焼くのが一般的。魚を丸ごと食べる習慣のない国の人にとっては、ちょっとぎょっとする光景かもしれませんね。お箸になれていない人も骨付きの魚を食べるのは、ハードルが高く感じられるかもしれません。でも、サンマの身は柔らかく骨からすぐ外れるので、ちょっと練習すれば意外と簡単に食べられます。香ばしく焼いたサンマに大根おろしと醤油をかければ、ご飯にピッタリでいくらでも食べられそう。ご飯が新米なら、これはもう秋の最強のタッグでしょう。

 

銀杏

銀杏

photo by Dickson

鮮やかな黄色に色づいたイチョウの木は、日本の秋を彩る風物詩のひとつ。さらにその実である銀杏も秋の味覚として日本中で広く親しまれています。加熱して殻をむいた身を、茶碗蒸しに入れたり塩をまぶしてグリルで焼いたりするのが代表的な食べ方です。実は銀杏にはビタミンA、C、鉄、カリウム、マグネシウム、ナイアシンといった栄養素が豊富で、美肌効果の他に物忘れの防止や学習能力の向上に効果があるとして、海外でも注目されています。おいしいだけでなく、アンチエイジング効果抜群のスーパーフード銀杏。お店でも売っていますが、イチョウの雌株の下に落ちているものを拾って自宅で乾燥させて食べることもできます。自宅で処理する人は加熱調理する前にしっかり乾燥させましょう。銀杏はサイズも小ぶりで食べやすくついつい手を伸ばしてしまいがちですが、一度に大量に食べると中毒症状を起こすこともありますので、一度に食べる量は大人でも10粒程度にしておきましょう。

 

キノコ

キノコ

photo by Juan Antonio Capó Alonso

お店では年間を通じて買うことのできるキノコ類ですが、最も旬なのは秋。炊き込みご飯や、炒め物、てんぷら、お鍋に入れたりと色々な食べ方が楽しめます。レストランや料理屋などでも秋の限定メニューとして、よくキノコ料理が取り上げられます。キノコは食物繊維が豊富で低カロリー。ついつい食べ過ぎてしまう秋冬にはぴったりの食材。また9月から11月にかけては、人工栽培が難しいため希少価値の高いマツタケが出回ります。香りのよいことで知られるマツタケは、マツタケご飯や焼きマツタケ、お吸い物などによく使われています。さらに秋には旅行会社などが企画するキノコ狩りツアーに参加すると、野山に分け入って自分でキノコを探す楽しみと、おいしいキノコを味わうといういちどに二つの楽しみを味わえます。

 

秋限定のお菓子

sweet

photo by Puno 3000

こちらはちょっと番外編。秋は色々な食べ物がおいしい季節とあって、日本の各菓子メーカーや小売店は秋の味覚に特化した「秋限定スイーツ」を発表します。よく使用されるのは、秋の果物・野菜である栗やサツマイモ、カボチャや梨など甘みのきいた食材。チョコレートやアイスクリームなどにこれらの秋の味覚の風味が加えられ、いつも食べなれているお菓子が、ひと味違った美味しさになっています。スーパーやコンビニのお菓子売り場には、色んな秋限定お菓子がズラリと並び、どれを買ったものか迷ってしまいますね。結局、決められないから全部試してみよう!なんてことになったりして、なるほど秋に体重の増加が著しいのも納得です。

 

まとめ

いかがでしょうか。日本の秋の味覚はまだまだ書ききれないくらいあるのですが、今回はその中でも代表的なものをご紹介しました。どれも比較的安価で手軽に手に入るものばかり。スーパーなどで自分で買ってきて調理するもよし、料理屋に入って堪能するもよし、秋に日本に滞在するならぜひ一度は食べてみてください。ついつい食べ過ぎてしまわないようにご注意を。

 

 

あきらことほ

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あきらことほ あきら ことほ

日本を離れて11年。帰国の度に日本のいいとこ再発見。このコラムが皆様の「日本のいいとこ発見」のお役に立てればウレシイです!

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