生きている文化遺産!?自然と生活の調和で輝く 「白川郷」の魅力

白川郷と青空

美しき自然と現地人の営みとが見事な調和をなした「白川郷・五箇山の合掌造り集落」をご存知ですか?重要な日本の代表的世界遺産であり、かつ、むかし懐かしの古きを知れる日本の大人気観光地です。岐阜県の白川郷と富山県の五箇山はどちらも庄川流域の歴史的地名です。今回は白川郷をピックアップして、白川郷の美しさと興味深き歴史と過去を掘り下げていきましょう。実は白川郷の歴史は波乱に満ちており、最初から景勝地として名高かったわけではありませんでした。

 

四季折々の風光明媚と伝統的営みの美しき調和

白川郷の四季折々

白川郷。それは、日本の四季折々に応じて、鮮やかで美しい色彩映える大自然と、長い歴史を受け継いだ現地人による昔ながらの生活の営みとが、見事に調和されて成立した伝統的地域です。春にはピンクの桜が新しい一年の到来を喜び、夏には鮮緑輝く山の草木と澄み渡る青空が伝統的な建築物と合わさって、懐かしい日本の夏を甦らせます。秋にはもののあはれな紅葉が赤々と照り輝き、冬には白い雪と合掌造りの建物が幻想的な世界を演出してくれます。先人たちが愛した四季の趣深さを、そっと思い出させてくれる。そんな白川郷の風光明媚の数々が、国内外の観光客を惹きつけているのでしょう。

 

意外にも厳しい白川郷の自然環境

紅葉の合掌造り

美しい紅葉の季節が終わると、白川郷にも冬が訪れます。それはもう、想像を絶するドカ雪の冬です。冬の白川郷の家屋の屋根に積もる雪の重さは、なんと100トン以上!100トンは50kgの人間2000人分の体重の重さです。白川郷は気候だけでなく地形にも恵まれませんでした。急峻な飛騨山脈の渓谷に囲まれた、狭くて複雑な地形に白川郷は位置しています。このような住みづらい地域の歴史に、焦点が当てられることは最初は殆どありませんでした。

 

環境に適応するために、先人の知恵がうみだした合掌造りのスゴさ

雪埋もれる合掌造り

白川郷の人々は豪雪を耐え忍ぶべく、茅で葺いた茅葺屋根を利用しました。これは急勾配の切妻屋根の形をなし、大量の雪を家屋の外に落とします。この屋根の造りが手のひらをあわせた合掌の形と似ているので、「合掌造り」と呼ばれるようになりました。この優れた合掌造りは雨漏りも防ぎます。というのも、この茅葺屋根の材料となる茅は、すぐれた吸収性をもつからです。水を吸収した茅が膨張することで屋根の隙間をなくし、何層にも折り重なった茅が水の浸透を許さないのです。最終的に茅に染み込んだ水は、急勾配によって家屋の外に排出され、内部に水が到達することはありません。非常に合理的なこの茅葺屋根は、数十年に一度、村人が総出で葺き替え作業をおこなって維持されてきました。小さな村だからこそ、村人同士が関係を密にして生活を営んできたのですね。

 

合掌造りは白川郷の生活そのものだった

image

合掌造りは白川郷の産業も支えました。茅葺屋根内部の広い屋根裏は養蚕場として利用されました。合掌造りの構造は夏涼しく冬暖かい構造のため、屋根裏は養蚕に適した場所だったのです。蚕の糞を利用してつくる、火薬の材料である硝煙の生産も始まりました。合掌造りは白川郷の生活の場であり、仕事の場だったのです。鎖国解禁以降、海外から安価な硝煙や化学繊維が日本に流入したため、白川郷の基幹産業は衰退の一途を辿り、更に高度経済成長期には過疎化が進行しました。しかし、白川郷は生き返る。

 

白川郷の美しさが広まったきっかけは、ドイツ人だった!?

美しき夜の白川郷

近代化に成功した日本社会において、古き良き景観が残されている白川郷は、たいへん珍しく貴重な場所でした。人里離れた辺境に位置する白川郷だからこそ、風韻ただよう秀麗な景観を維持できたのでしょう。白川郷に対する評価の高まりとともに、ドイツの建築家ブルーノ・タウトも合掌造りを高く評価し、ついに白川郷の美しさが世界に広がりました。その後、白川郷は世界遺産に登録され、これにて世界的観光地として生まれ変わったのです。

 

訪れるならココも要チェック!美しい景観と一緒に満喫できるスポット

ライトアップで輝く白川郷

白川郷一帯には合掌造りの食事処や民宿が点在しています。日本古来の風景を楽しみながら、歴史に思いを馳せつつ、ぶらぶらと散策するだけでも充分に楽しめます。白川郷は、「リビング・ストラテジー(生きた文化)」の代表であり、住民の生活の営み自体が重要な文化の一部です。遊観後は、夕方の合掌造りの宿にて、伝統家屋のぬくもりを感じてください。伝統音楽を聴きながら、囲炉裏を囲って伝統料理を味わう。そんな白川郷の人々の生活を体験できます。また、冬の白川郷のライトアップは、たいへん幻想的でカップルにもオススメです。

和田家

集落最大の合掌造りに入って生活の叡智に触れてみてください。館内で合掌造りを学べます。

公式URL:http://www.shirakawa-go.gr.jp/details/?i=68

野外博物館 合掌造り民家園

優美な景観のみならず、合掌造りの母屋や屋根裏も見学できます。展示物や体験学習も豊富です。

公式URL:http://www.shirakawago-minkaen.jp

荻町城跡展望台

高いところで大自然を眺望して、よりダイナミックに白川郷の景観を楽しめます。

公式URL:http://shirakawa-go.org/kankou/guide/253/

大白川露天風呂

大自然を眺めながらゆったり温泉を楽しみつつ、身も心もすっきり洗い流しましょう。

公式URL:http://shirakawa-go.org/kankou/guide/205/

 

白川郷へのアクセス

交通機関を利用してアクセスする場合、東京または大阪から新幹線で名古屋に向かい、名古屋駅の名鉄バスセンターから岐阜バスの「白川郷線」で白川郷に行けます。また、高山または金沢経由といった別ルートも存在します。なお、「白川郷線」の始発時刻は9:00で、名古屋出発から白川郷到着までの所要時間は約2時間50分です詳細はこちらです。

 

苦境に陥った白川郷は、今も輝く。

白川郷は最初から人気者であったわけではありません。四季折々の美しい自然と先人の努力が詰まった合掌造りの建物群は、すぐには評価されませんでした。子々孫々に続いた努力と知恵が長い年月を経て実を結び、観光地としての白川郷の評価を確立させたのです。歴史的な伝統を誇る観光地に訪れる際は、是非ともその歴史と苦労の数々に触れてみてください。きっと、ただの旅行の思い出が、ずっと心に残り続ける大切な思い出に変わることでしょう。

 

 

柳大地

この記事を書いた人

柳大地 柳 大地

日本に散りばめられた色彩豊かな情報を、掘り起こして文字にする。本質的で、気持ちのいい情報を発信します。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>