20年ほど前には街中のいたるところに設置されていた公衆電話。携帯電話が普及してからはすっかり見かけなくなり、いざ使おうと思ってもどこにあるのかわからない!ということも。10代や20代の人の中には、そもそも公衆電話なんて使ったことがない人もいるのでは。しかし、充電や置き忘れなどで携帯電話が使えないときや、災害などの非常事態で携帯がつながらないときなど、電話をかけたいのに携帯電話が使えないという事態も稀にあります。使用する機会は確かに少ないですが、公衆電話の使い方を知っておく事は緊急時に備えるという意味でも大切です。今回は日本の公衆電話の大多数を占める、NTTの公衆電話を基準に使用方法や注意点についてご説明します。
公衆電話の種類
日本の公衆電話にはデジタル公衆電話とアナログ公衆電話があります。いずれも硬貨・テレホンカードの両方が使用できるもの、硬貨のみ使用可のもの、テレホンカードのみ使用可のものとあります。デジタル式とアナログ式の見分け方は簡単。アナログ式には緊急通報用の赤いボタンがついていますが、デジタル式にはついていません。デジタル式の公衆電話の中には国際電話がかけられるものがあり、空港や大きな鉄道駅などに設置してあるものはこのタイプが多いです。国際電話が可能な公衆電話のディスプレイには「国際電話が利用できます」と表示があります。アナログ式の公衆電話は日本国内への通話しかできません。アナログ式公衆電話から国際電話をかけるには、別途国際電話カードなどが必要になります。
公衆電話のかけ方
公衆電話を使用するためには、硬貨もしくはテレホンカードが必要です。硬貨は10円または100円のみ使用可能。テレホンカードは駅の売店やコンビニエンスストアで購入できるほか、公衆電話機の横に自動販売機がある場合もあります。デジタル式とアナログ式の公衆電話のかけ方には少し違いがあるので覚えておきましょう。
デジタル式の場合
- 受話器をあげるとツーという通話音がきこえる
- 硬貨を投入、もしくはテレホンカードを挿入する
- ダイヤルする(110番や119番などの緊急通報は、受話器をあげてそのままダイヤルします)
アナログ式の場合
- 受話器をあげる(この時点では音は聞こえません)
- 硬貨を投入、もしくはテレホンカードを挿入するとツーという通話音がきこえる
- ダイヤルする(110番や119番などの緊急通報は、受話器をあげ、電話機についている赤いボタンを押してからダイヤルします)
※デジタル式、アナログ式、いずれの場合も同区域(同じ市外局番の相手)にかける場合は市外局番は必要ありませんが、それ以外の場所にかける場合には市外局番が必要です。
※国際電話をかけるときは、「利用する電話会社の識別番号 – 010 – 相手国番号 – 相手先市外局番 – 相手先電話番号」の順にダイヤルします。電話会社の識別番号:0036(NTT東日本)、0039(NTT西日本)、0033(NTTコミュニケーションズ)
公衆電話の通話料金
公衆電話の通話料金は通話距離や時間帯、固定電話への通話か携帯電話への通話かによっても変動します。同区域の固定電話への通話の場合、午前8:00~午後11:00までの間に10円で通話できる時間は57.5秒。NTT東日本とNTT西日本のウェブサイトで公衆電話から固定電話への通話料金を調べることができます。携帯電話への通話の場合、料金は相手の携帯電話会社によりますが、10円で通話可能な時間は9秒から20秒と押しなべて高額になります。
※公衆電話は携帯電話や固定電話よりも優先して接続されるため、災害時など特別な理由があるときは無料通話措置がとられることがあります。
公衆電話の設置場所
ご存知のとおり、一昔前に比べると公衆電話は非常に見つけにくくなっています。しかも公衆電話を運営している通信会社は最近まで設置場所を公表していなかったため、その場で歩いて探すしか方法がありませんでした。しかし、現在ではNTT各社のサイト上で公衆電話の設置場所を検索できるよう変更され、非常に便利になりました。日本に渡航する前に、例えば到着空港や経由地の鉄道駅などにある公衆電話の位置を調べておくと安心です。
NTT東日本 公衆電話設置場所検索
NTT西日本 公衆電話設置場所検索
まとめ
昨今、日本では災害時など緊急事態に通話困難となりがちな携帯電話や固定電話の代わりの連絡手段として、公衆電話の存在が見直されつつあります。来日したばかりで日本の携帯電話を持っていないという人も、誰かに連絡を入れるときにまず必要になるのが公衆電話。使い方は簡単ですが、国際電話のかけ方やテレホンカードの存在など、海外のものと多少違うところがあるので事前にリサーチしておくといいでしょう。
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