photo by Ryohei Noda
日本で数年前からブームになっている「断捨離」や、じわじわと信奉者を集めている「ミニマリスト」というライフスタイル。どちらも余計なものを持たない暮らしを目指して、真に必要なものだけに囲まれて生きようという考え方が根底にあります。中には服やアクセサリーだけでなく、多くの人にとっては生活に不可欠と思われる家具や家電まで処分してしまう人もいます。断捨離をしたりミニマリストになったりつもりのない人でも、引越しや帰国の際に大物を処分したいという人はいますよね。まだ使用できるものは友人や知人に譲るという方法もありますが、欲しい人がいなかったり、製品が壊れている場合には不可能です。しかし本棚や冷蔵庫を普通のごみの日に回収してくれるはずもなく、いったいどうしていいものか困ってしまうという人も多いのではないでしょうか。今回は、日本で家具家電を処分するときどんな方法があるのかご紹介します。
方法1:粗大ごみに出す
ご存じのとおり、日本ではごみの回収は各自治体の管理下で行われています。また、回収の対象になるごみの種別も多く、廃棄の方法も事細かく決められています。家具家電も粗大ごみとして回収を行っており、住んでいる自治体のルールに従って廃棄することができます。例えば、日本で最も外国人の登録が多いとされる東京都新宿区では、有料で次のようなものを粗大ごみとして回収しています(かっこの中は回収にかかる料金)。
- 衣装ケース(400円)
- 椅子(400円)
- 敷物(一畳以下400円、一畳以上800円)
- 自転車(電動式を除く、800円)
- 扇風機(400円)
- 掃除機(400円)
- ソファ(一人掛け用800円、3人掛け用2000円)
- 電子レンジ(800円)
- たんす・本棚などの箱もの家具(サイズによって5段階400円、800円、1200円、2000円、2800円)
注意!
1998年に制定された家電リサイクル法によって、エアコン、テレビ、電気冷蔵・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機の4品目は粗大ごみとして回収できなくなりました。この4種に関しては行政の指定通りの方法でリサイクルします。
また、パソコンも同様にリサイクル法で処分の方法が決められているため、粗大ごみにはなりません。
申し込み方法
新宿区では粗大ごみの廃棄は事前に「粗大ごみ受付センター」へ申し込みが必要です。申し込みは電話またはインターネットでできます。出し方は、
- 粗大ごみ受付センターへ予約を入れる
- 指定の販売所で決められた料金分の「粗大ごみ処理券」を購入し、受付番号・回収予定日を記入し、処分したい家具家電に貼る(1アイテムずつ必要)
- 予約日の朝8時までに自宅前(集合住宅の場合は建物の入り口付近)のわかりやすい場所へ出しておく
方法2:不用品回収業者へ依頼する
粗大ごみを行政に回収してもらうには、出したい家具家電が規程のサイズや状態に合致しているか確認したり、処理券を購入したりと前準備に時間がかかります。時間がなくて「とにかくすべての粗大ごみを確実に短時間で一掃してしまいたい」という人には、不用品回収サービスを利用するという方法があります。料金は各社まちまちですが、数千円の出張料だけで回収してくれる業者(引取りに条件あり)や、固定料金で、ものの状態にかかわらず依頼した不用品を全て回収してくれるところもあります。サイズも2㎥までや、トラックいっぱいに積み放題など、各社それぞれのサービスを提供しています。単身者であれば多くても軽トラックで十分回収できることが多いです。
料金の相場は
- 軽トラックに積み放題(積載量350㎏まで):10000円~18000円
- 2トントラック積み放題:30000円~40000円
※製品によっては回収料が設定されている場合もあります。
東京都で出張してくれる不用品回収サービス例
方法3:リサイクルショップへ売る
いくら自分にとって不要でも、まだ十分使える家具家電をごみとして廃棄してしまうのはためらってしまいます。しかも、引越しや帰国で処分する場合には少しでも資金をセーブ、できれば増やしたいもの。そんな時に活躍するのがリサイクルショップです。東京都はもちろん、日本の都市部であればリサイクルショップはそれほど苦労せずに見つかります。テレビや洗濯機、パソコンといった家電から、タンスや本棚などの家具、古本、古着までたいていのものは買い取ってもらえます。中には出張引取りに来てくれるところも。ただし、家電の製造年数など買取りのための条件があることもあるので、事前に連絡して査定可能かどうか確認しておくと安心です。もちろん店舗へ持ち込むこともできます。
東京都で出張買取のあるリサイクルショップ例
まとめ
家具家電の処分方法は製品の種類や処分の目的によってさまざま。しかし、できれば捨てるよりは売ってお金にしたいというのが人情です。もし時間に余裕があれば、
- まず友人知人に引き取り手がいないか探して、
- いなければ売れるものはリサイクルショップの買取に出し、
- 故障品や買取不可のものはお金をかけて粗大ごみに出す、もしくは不用品回収に出す
というのがよさそうです。時間余裕がない場合は、少々高額ですがいきなり不用品回収に依頼するのが最も手間のかからない方法です。今回は東京都の例をとってご説明しましたが、粗大ごみの処分方法についてはまず居住地の役所に問い合わせして確認しておきましょう。
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