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昨年12月から始まったコロナウイルスの感染拡大。あっという間に世界中に広がり、いまだに終息に至っていません。日本でも4月に出された緊急事態宣言が5月半ばになってようやく解除されるなど、生活に大きな影響がありました。また、全国で国民が一斉に自粛生活に入ったことで、経済が停滞し収入が激減する人たちが急増。中には生活がたちいかなくなるほど困窮する人も出ています。このような時、日本には短期間の生活資金を補填するために、少額を貸し付けてくれる制度があります。今回は各都道府県の社会福祉協議会が実施している救済措置のひとつ、「生活福祉資金貸付制度」について説明していきます。
生活福祉資金貸付制度とは
生活福祉資金貸付制度とは、低所得者世帯や失業等で生活に困窮している人に当面の生活資金を融資する制度で、市区町村の社会福祉協議会によって運営されています。貸付内容は数種類ありますが、個人用にもっとも適しているのは「緊急小口資金貸付」と「総合支援資金貸付(生活支援費)」です。今回のコロナ禍を受け融資条件の緩和や対象者の拡大があり、これまでよりもより多くの人が融資を受けられるようになりました。この制度の一番の利点は、無利子・保証人なしで借りられる点。さらに据置期間という返済が猶予される期間も1年間と長く設定されています。
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緊急小口資金貸付 |
総合支援資金貸付(生活支援費) |
対象者 |
緊急かつ一時的な生計維持のための貸付を必要とする低所得世帯など →新型コロナウイルス感染拡大により収入の減少があり、緊急かつ一時的な生計維持のための貸付を必要とする世帯 |
低所得世帯において、収入の減少や失業などにより生活に困窮し、日常生活の維持が困難になっている世帯 →新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた収入の減少や失業により、生活に困窮し、日常生活の維持が困難になっている世帯 |
貸付上限 |
10万円以内 →学校等の休業、個人事業主など特例の場合20万円以内、その他の場合10万円以内 |
2人以上の世帯:月20万円以内 単身世帯:月15万円以内 貸付期間:原則3ヵ月以内 |
据置期間 |
2ヵ月以内 →1年以内 |
6ヵ月以内 →1年以内 |
償還期限 |
12ヵ月以内 →2年以内 |
10年以内 |
利息 |
無利子 |
保証人ありの場合無利子/保証人なしの場合年1.5% →無利子 |
保証人 |
不要 |
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問い合わせ先 |
このほか、労働金庫と一部の郵便局でも申請を受け付けています(要問合せ)。 |
※「緊急小口資金貸付」と「総合支援資金貸付」の違いは:前者が休業で収入が減少した人を対象にしているのに対して、後者は失業で収入が減少して生活が困窮している低所得世帯を対象にしています。同時に2つを利用することはできませんが、緊急小口資金貸付を利用して状況が改善しない場合は後に総合支援資金貸付を利用することは可能です。
生活福祉資金貸付の申請手順と必要書類
生活福祉資金貸付の申し込み手順は地域によって多少の違いがありますが、おおむね次のような流れで行われます。
- 地域の社会福祉協議会へ電話で困窮している状況を伝えて相談する。
- 社会福祉協議会の指示に従って必要書類を郵送、面談の予約をとる(郵送のみの地域もあり)。
- 面談後、提出した書類に基づき審査が行われる。
- 審査の結果貸付が許可されれば、1~2週間ほどで銀行口座へ貸付金が送金される(地域によって違いあり)。
必要書類
緊急小口資金貸付 |
総合支援資金貸付(生活支援費) |
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※借入申込書や借用書などの用紙は、各地の社会福祉協議会のホームページからダウンロードできるほか、郵送してもらうこともできます。
まとめ
日本でもコロナ禍で休業失業する人が急増。外国人労働者や留学生の中にも、収入が途絶えて生活に困っている人が多く出ています。今すぐに生活資金を確保しなくては生きていけないほど困窮している人は、すぐに居住地の社会福祉協議会に相談して、緊急小口資金貸付の申請を行いましょう。審査があるため即日では送金されませんが、審査に通れば早くて5営業日、通常は1~2週間ほどで生活資金を融資してもらえます。現在はコロナウイルスの感染防止のため郵送のみでの受付のところもあるため、必ず事前に電話で問い合わせるようにしましょう。
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