日本人も意外と知らない「もっきり」の正しい飲み方講座

もっきり

photo by Christian Kaden

居酒屋で日本酒を注文すると徳利やグラスワイン、升など色々なカタチで日本酒が出てきます。その中でも「!」なのが「もっきり」というスタイル。升の中にグラスを置き、目の前で溢れるように日本酒が注がれます。でもこれ、どうやって飲めばいいのか?グラスから?升から?日本ではお馴染みの”もっきり”ですが日本人も飲み方を意外と知りません。そこで今回は”もっきり”の飲み方をご紹介していきます。

 

そもそも「もっきり」って何? 

升の中にグラスを置き、溢れるくらいに日本酒を注ぐ独特のスタイルは”もっきり”と呼ばれています。もとの言葉は「盛り切り」。日本酒を量り売りしていた時代に、升なみなみいっぱいの酒を注いで量っていたのが”もっきり”のルーツ。昔の居酒屋では1合づつ(180ml)でお酒を提供していたのですが小さなグラスでは日本酒1合が入りきらなかったため、グラスの下に小皿や升をおいてお酒の量の帳尻を合わせたのがはじまりと言われています。次第に「お店がどれくらい日本酒を注いでくれるか」という心意気を図るバロメーターに変化してきました。”もっきり”の根底流れているのは「おもてなしの心」。お酒一杯の料金は決まっているのですが「よりお酒を楽しんで貰いたい」というお店からの気持ちの表れでもあるのです。

 

では本題の「もっきり」の正しい飲み方

実際に”もっきり”を目の前にすると「一体どうやって飲めばいいのか?」「少しでも動かしたらこぼれそう」と困ってしまうハズ。”もっきり”は呑兵衛たちの育んだ文化なので実はどのな風に飲んでも間違いではありません。ですが、どうせ飲むなら粋に飲みたいですよね。

グラスを傾け日本酒を升に少しこぼす

こぼれそうなので器に直に口をつけて飲みがちですが少しはしたないので、最初にグラスを持ち上げ日本酒を少し升にこぼしてください。

まずはグラスの日本酒から飲む

その後はグラスの日本酒から先に飲むのがスタンダード。一気に飲み干す必要はないので日本酒の香りを楽しみつつゆっくり飲んでください。

グラスをいったん外す

グラスの外側についた日本酒が気になる方はお手拭などでグラスを拭っても大丈夫。

升の日本酒をグラスに移す 

グラスの日本酒が無くなったり少なくなってきたら、升に残っている日本酒をグラスに移しつつ飲んでいきましょう。日本酒のお代わりは升を変えずに頼むのがルールです。

グラスに移さないで升で飲んでもOK

グラスに日本酒を移し替えずに升のほうに残った日本酒を直接飲んでもお行儀悪いわけではありません。升から直接飲むと檜の香りを楽しむことが出来ますよ。

 

まとめ

日本食の中でも独特な”もっきり”という日本酒の飲み方。普通に徳利やグラス、ワイングラスなどで飲みたい方もいるでしょう。そんな時は注文の際にリクエストをしても構いません。お店は「より美味しく」「より楽しく」お酒を飲んで貰いたいと思っているので、お好みの飲み方を伝えましょう。

 


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いかわあき

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いかわあき いかわ あき

日本の文化や歴史が大好きです。生まれ変わってもまた日本に生まれたいほど。愛してやまない日本の素敵なコト・モノを沢山見つけたいです。

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