求職中の人はチェック!外国人対象の派遣会社とは

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photo by Steven Depolo

大学生の新卒就職率もバブル期並みに回復し、雇用に積極的な企業が増えている昨今の日本。国際的なビジネス展開のために外国人の雇用機会も年々増加しています。日本で就労する際の雇用形態には、いわゆる「正社員」と呼ばれる正規雇用と、バートタイムやアルバイトを含む非正規雇用の二つがあります。この非正規雇用の中で少々変わっているのが「派遣社員」と呼ばれる雇用形態。外国人雇用の増加にともなって外国人を対象とした派遣雇用も増えていますが、どのような特徴があるのでしょうか。

 

人材派遣会社および派遣社員とは?

正社員やパートタイム、アルバイトなどで構成される雇用形態は、正規・非正規を問わず雇用主と勤務先が同一で、直接雇用契約を交わします。対して人材派遣の場合は、まず人材派遣会社と雇用契約を交わし、人材派遣会社から紹介された勤務先で業務を行います。仕事に関する指示は派遣先企業に従いますが、給与は直接の雇用主である人材派遣会社から支給され、社会保険も人材派遣会社を通して加入します。雇用契約は派遣先が決定した時点で締結され、派遣先との派遣契約期間が終了した時点で雇用契約も終了となります。

人材紹介との違い

人材派遣業と人材紹介業はよく混同されがちですが、この二つは全く異なるので注意が必要です。人材派遣は前述の通り人材派遣会社に雇用されて派遣先企業で業務を行うため、勤務先との雇用関係はありません。人材紹介業は海外でもおなじみの通り、登録されている求職者と求人募集をかけている企業をマッチングし、両者の間に直接雇用契約が成立するようサポートするというものです。人材派遣には派遣先企業と人材派遣会社の間に派遣契約期間が存在し、一つの契約が満了するたびに契約の更新または終了がありますが、人材紹介で就職した場合の雇用形態は、企業の募集内容によって異なります。

 

人材派遣会社の利用方法

人材派遣会社を利用して仕事を探すためには、まず登録が必要です。人材派遣会社の多くはオンライン登録を受け付けているところがたくさんあるので、まずは自分のビザや経歴、希望職種などの基本情報を登録しましょう。登録から就業までの流れはおおまかに次のようになります。

  1. オンラインもしくは直接オフィスへ電話等でコンタクトを取り、プロフィールの登録を行います。
  2. 人材派遣会社から連絡があり、経歴や所持しているビザなど詳細を確認するための面接があります。
  3. 人材派遣会社で仕事のマッチングを行い、担当者から打診があります。
  4. 求職者側で紹介された仕事に合意すれば、人材派遣会社が派遣先の企業へ求職者のデータを渡します。
  5. 企業側でも合意が取れれば内定となり、最終的な打ち合わせのあと勤務スタートとなります。
  6. 契約期限の1か月ほど前になると、人材派遣会社から今後の契約が更新できるのか、終了となるのか、次の仕事の紹介を希望するかなどの確認のための連絡が入ります。

*契約の更新や、契約終了後もブランクなく次の仕事を紹介してもらいたい場合は、あらかじめ派遣会社の担当者に希望を伝えておきましょう。

 

ビザについて

日本で働くためには、就労可能な在留資格が必要です。また、就労ビザで働く人は在留資格に合致した職種にしか応募できないので、注意が必要です。派遣社員であっても就労ビザの取得は可能ですが、人材派遣会社に登録する際は既に就労可能なビザを持っている人を対象にしていることが多いです。数は少ないですが、人材派遣会社が就労ビザのスポンサーをしてくれる会社もあります。また、数週間や数か月といった短期の募集、労働時間が短い募集などの場合、ワーキングホリデービザや学生の資格外活動での応募も受け付けています。

 

外国人対象の人材派遣会社

外国籍の人たちを対象にしている人材派遣会社は日本全国にたくさんあります。全国展開している大手企業もありますが、一つの地域限定で展開している地元密着型の派遣会社も沢山あります。また、会社によって多く扱っている職種が決まっている場合もあります。

テンプスタッフ
YAMAGATA INTCH Recruit Now
Ranstad
リクルートスタッフィング(留学生の派遣登録)

 

派遣で働く際に覚えておきたいこと

  • 派遣で働き始める前に、人材派遣会社から労働条件、就業条件、給与についての明示があります。これ以外にも、自分で確認しておきたい条件などがあれば、不明点が残らないよう派遣会社の担当者に確認しましょう。
  • 派遣社員は派遣先企業の就業条件に従います。残業の有無も派遣先企業の規則に従うことになりますが、派遣元である人材派遣会社が残業を禁止している場合には、残業はできません。
  • 派遣社員は決められた期間、決められた業務のみに従事するのが原則です。そのため、派遣社員が派遣先の都合で契約内容と異なる業務を依頼されるということはありません。また、就労ビザで働く人は在留資格を受ける条件として、決められた職種しか携われないという規則もあります。
  • 派遣契約の期間は3か月から6か月が一般的で、年単位での契約は稀です。同じ派遣先で長期間勤務する時は、契約を何度も更新している場合が多いです。もっと安定した雇用にしてもらいたい場合は、最終的な正社員雇用を視野に入て数か月派遣社員として勤務する「紹介派遣」がお勧めです。このような希望がある場合は、最初の登録の際に派遣会社の担当者にはっきりと伝えておきましょう。

 

まとめ

訪日外国人の急増で、これまでになく外国語のできる人材の需要が高まっている日本。必要とされている言語は英語だけでなく、中国語や韓国語、ヨーロッパ言語など様々。外国語がネイティブで、日本語の堪能な留学生や転職者を探している企業が多くあります。派遣は原則的に短期契約で正社員雇用に比べると不安定というイメージがありますが、日本で就労経験を積んでおきたい学生や、転職活動のつなぎ期間が欲しいという人には返って好都合です。現在日本で休職中の人は、人材派遣会社に登録して仕事を紹介してもらうとスムーズに見つかるかもしれません。

 


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あきらことほ

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日本を離れて11年。帰国の度に日本のいいとこ再発見。このコラムが皆様の「日本のいいとこ発見」のお役に立てればウレシイです!

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