人事担当者はココを見ている。外国人のための面接マナーガイド

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日本で働くことを希望する外国人は、来日する前に前もって就職先を見つけていない限り、日本国内で就職活動をすることになります。仕事を探す上でのあれやこれにもお国柄というものがあって、日本での求職は他の国とは少し異なる面が見られます。ここでは外国人が日本で就職面接を受ける際に気をつけるべきマナーやコツをご紹介します。

 

面接における基本的なマナー

交通事情や郵便事情からも窺い知れるように、日本人は基本的に時間に厳しい民族です。もちろん面接に遅刻は厳禁。希望の会社と面接のアポイントが取れたら、日時と場所を確認し、交通手段や所要時間を調べましょう。できれば約束の時間の30分以上前に現地付近に到着できるよう時間を調整するのがベター。着いたらゆっくりと会社付近を散歩するなり、履歴書を見直すなりして過ごし、約束の10分ほど前になってから受付を済ませます。あまりに早すぎる到着も先方を困らせてしまうので控えること。面接が始まったら、挨拶と自己紹介は特にはっきりと伝えます。椅子をすすめられたら腰掛けて、背筋を伸ばしてまっすぐに面接官の顔を見ます。あとはリラックスして、働きたい意志を自分の言葉で伝え、面接官の質問に誠実に答えましょう。礼儀正しさを常に意識することがポイントです。

 

面接の身だしなみ

服装

最近は日本でもカジュアルな服装で仕事をする職場が増えていますが、就職面接においてはスーツ姿が大原則です。ダークな色のスーツと清潔感のある身だしなみでスタートラインに立つことができます。中に着るシャツやブラウスは白が基本、女性はアクセサリーは控えめなものにしておきましょう。なお冬の面接の場合、コートは建物に入る前に脱いで手に持ちます。

髪型

職種にもよりますが、男性はすっきりとした短髪が好まれる傾向があります。女性は長い髪はまとめて、表情がよく見えるようにしましょう。

顔周り

男性はきちんとひげを剃っておくこと。女性は濃い色のアイシャドウや口紅などを避けたナチュラルメイクが好印象です。

手元

飲食関係の仕事や営業職に応募する場合は特に爪の清潔感に気を配りましょう。女性は派手なマニキュアやネイルアートは控えます。また、面接中は携帯電話での時間確認ができないので、腕時計を忘れずに。

 

よく聞かれる質問と答えのポイント

面接の際によく聞かれる質問について、外国人の面接という視点から見た答え方のヒントをご紹介します。

自己紹介、アピールポイント

面接といえば必ず聞かれる質問です。自分の能力が会社にとってどのようにプラスになるか、できれば具体例を添えて説明できると良いでしょう。「外国人であること」だけに頼るのは危険です。それ以外の自分ならではの強みを、資格や具体的なエピソードなどを根拠に説明できればかなりのアピールになります。あまりダラダラ話さずに、簡潔にまとめて話せるよう前もって練習しておくと安心です。

日本の会社への就職を希望する理由

外国人の採用について、人事担当者は正直なところ「日本の組織に順応できるか、定着してくれるかどうか」を心配しています。なぜ他の国ではなくここ日本の会社で働きたいのか、将来についてはどのように考えているのかを伝えましょう。

日本に来た理由

面接だけではなく、何かの集まりやお酒の席などあらゆる機会で日本人から聞かれるであろう質問ですね。「日本の文化に興味があって」だけでは抽象的すぎて伝わりません。もちろん、きっかけは「アニメが好き」だったり「クロサワ映画を観て」だったりと様々でしょう。大切なのはその為に何を頑張って現在に至るかです。自分が日本で何ができるのかをしっかりと説明できれば確実に採用通知が近づきます。

なお面接において、日本語の能力ももちろん重要なポイントではありますが、きちんとした日本語で話せているかに気を遣うあまりに自分の考えを十分に伝えられなければ意味がありません。「細かい言葉遣いは多少間違えても気にしない!」くらいの気持ちで臨みましょう。面接官の目をしっかりと見て話せば言いたいことはちゃんと伝わります。

 

日本における名刺の取り扱い

就職の面接において、場合によると面接官から「本日面接を担当します○○と申します、よろしくお願いします」といった言葉と共に名刺を渡されることがあるかもしれません。日本独特と言われる名刺交換のマナー、ご存じですか?名刺は海外においてはそれほど重要視されず、相手の目の前でメモの代わりにあれこれ書き込むようなことさえありますが、日本人は名刺をことさらに大切にする民族だということを覚えておきましょう。相手から名刺をもらう場合、胸の高さで両手で受け取ってお礼を言い、目の前にテーブルがあれば自分の左右どちらかの端に置いて話をします。ポケットや財布などに雑にしまい込んだり、手でもてあそぶようなことはマナー違反にあたります。細かいことを言い出すと「文字のある部分には指を置かない」「複数の相手から受け取ったら席順通りに並べて置く」などきりがありませんが、「相手から受け取った名刺は相手と同じぐらい丁重に扱う」という感覚さえ持っていれば、あとはそれほど気にしなくても大丈夫です。ただし、テーブルに置いたまま忘れて帰ってしまうことだけは何としても避けましょう。

 

日本ならではの働き方

かつての日本の経済成長を支えたのは、終身雇用、年功序列という日本的な雇用システムでした。現在ではそのような慣習は昔よりだいぶ薄れているものの、それでもまだまだ会社に忠誠心を持つことが良しとされ、企業はそのような社員を責任を持って雇用するという空気が残っています。転職が決して珍しくなくなった今でも、一般的な日本企業であればやはり長く働くチームメイトを求めています。数年働いたらステップアップの為に転職しようと考えていたり、母国に帰る可能性があったとしても、素直にそう言ってしまうのはお勧めできません。嘘をつく必要はありませんが、よほどの理由があったとしても「すぐ辞める」ことを明言するのは避けて、長く働きたい意欲を見せましょう。

 

まとめ

就職の面接は、長年暮らしてきた母国で受けるのでさえとても緊張するものです。異国であればなおさらのこと。企業が新しい人材に対して求めるものの一つに「適応力」がありますが、外国人にとっては日本に住んで仕事探しをしているという時点で適応力が高いということは明らかです。適応力がなければ日本で働こうなんて考えずにとっくに帰国しているはずですよね。それを拠り所に、自分が会社にとって有益な人材であることを自信を持ってアピールすれば、きっと良い結果が出ることでしょう。

 


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磯山ゆきえ

この記事を書いた人

磯山ゆきえ 磯山 ゆきえ

気ままな海外一人旅が好きです。外から見たこの国の姿を意識しながら、日本に関する楽しい話題をお届けできたらと思っています。

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