現金だけあれば大丈夫!銀行口座を持っていない場合の振込方法

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日本でまだ銀行口座を作っていないのに、どうしても他人の口座にお金を振り込まなくてはいけない状況になってしまった…そんな時どうしますか?家賃の支払いや通販、友人から譲ってもらった物の支払いなど、通帳やカードを持っていない状態であっても振込をしなければならないシチュエーションはどうしても起こりがちです。でもご安心下さい。口座を持っていなくても現金だけで振込は可能です。振込金額や相手先によって細かい部分が変わってくるので、今回はその辺りをわかりやすく整理してみたいと思います。

 

振込金額が10万円以下の場合はATMから振込可能

まずは、ゆうちょ銀行以外の都市銀行や地方銀行、信用金庫などの口座に対して、現金で振込を行う場合について考えてみます。振り込みたい金額が「10万円以下」であれば、銀行窓口に行かなくてもATM(現金自動預け払い機)での振込が可能です。ただし気をつけるべきなのは、現金振込が可能なのは原則「銀行の店舗内にあるATM」のみです。コンビニやショッピングセンターなどにあるATMでは現金振込ができない場合がほとんどです(2015年3月までは一部のファミリーマートなどで可能だったのですが、現在ではサービスが終了しています。逆にイオンの中に入っているセブン銀行のATMの中には可能なものもあります)。また、時間にも注意しなければいけません。多くのATMコーナーでは早朝から夜遅くまで預金の引き出しなどができますが、現金振込ができる時間帯は限られており、例えば日本で一番大きい三菱東京UFJ銀行であれば「平日窓口営業日の8:45~18:00」と定められています。土日祝日や夜間はキャッシュカードでの振込しか受け付けていません。厳密にいえば地方の銀行の一部では可能なところもありますが、ごく範囲が狭いので、ひとまず「平日の日中であれば銀行店舗内のATMでは現金振込ができる」と覚えておけば良いでしょう。

 

ATMでの振込の手順

駅前などにある銀行に入り、窓口の横にあるATMコーナーに向かいます。列ができている時には一番後ろに並びましょう。順番が回ってきたらATMの画面上を指でタッチして手続きを進めていきます。指示に従って、振込をしたい相手の銀行名、支店名、口座番号、口座種別(普通預金または当座預金)を順番に入力していき、振込先の名前が表示されたら、間違いがないか画面上で確認します。最後に発行される明細書は振込エラーになった場合に備えて保管しておきましょう。もし途中でわからなくなったら、銀行の営業時間内(基本的に午後3時まで)であればATMの横に案内係の人が立っているので教えてもらえます。誰もいなかったり、営業時間を過ぎている場合は、ATMの機械にインターホンが備え付けられており、そこから聞けるようになっています。なお、大抵の銀行のATMでは英語での利用案内を用意しています。一番最初の画面に「ENGLISH」や「GUIDANCE IN ENGLISH」 といったボタンがあるので、日本語が苦手な人はそこから先に進めば英語で手続きを進めることができます。ただし、日本語メニューとサービス内容が異なる場合もあるので、やはりわからなくなったら銀行の人に聞くと安心です。

 

振込金額が10万円を超える場合は窓口から

10万円を超える金額(100,001円以上)を一度に振り込みたい場合は、窓口を利用するしかありません。その銀行の口座を持っていなくてももちろん窓口から現金で振り込むことができます。ただしATMの振込と異なるのは、「本人確認書類が必要なこと」です。旅券(パスポート)、外国人登録証明書、在留カード、特別永住者証明書、運転免許証、健康保険証など、本人であることが証明できる公的な書類を持参しましょう。そしてもう一点必要になるのが「取引時確認」です。これは銀行取り引きが犯罪に利用されることを防ぐため2013年4月から導入された手続きで、振込を行う目的と本人の職業等を簡単な聞き取りで確認するものです。なお、10万円を超えなければ窓口で振込できないという訳ではなく、それ以下の金額でもATMを使わずに窓口で振り込むことは可能で、その場合は本人確認書類や取引時確認は不要です。ただし同じ金額を振り込んだ場合でも振込手数料は窓口の方が割高になります。また、窓口での振込が可能な時間帯はATMよりずっと短いです。例えば三菱東京UFJ銀行であれば「平日窓口営業日の9:00~15:00」になります。当日扱いの振込を頼みたければ、更に14:00までに手続きをする必要があります。

 

窓口での振込の手順

銀行に入ると、用件別に番号札を受け取って待つ場合がほとんどです。案内係が用件を聞いてくれるので、不安がある場合はその時にいろいろ聞いてみましょう。振込をしたい旨を伝え、該当の番号を受け取ります。窓口と待機用の椅子の間にテーブルが置かれており、そこに様々な書類とともに振込依頼書が備えつけられています。振込をしたい相手の銀行名、支店名、口座番号、口座種別、名前はもちろん、依頼人(自分)の名前と住所、電話番号なども記入します。あとは自分の番号が呼ばれるのを待ち、窓口係の案内に従えばOKです。振込依頼書と、振り込みたい金額に振込手数料分として1000円程度をプラスして渡すと、手続きしてお釣りを返してくれます。依頼書の記入に多少の誤りがある場合は、案内係が教えてくれるはずです。ただし、勿論口座番号などは案内係でも正しいか間違えているか判断できないので、正確にメモしていきましょう。

 

相手がゆうちょ銀行の場合

ゆうちょ銀行は一般の銀行とは少し異なります。まず、ゆうちょ銀行の口座は簡単にいうと口座記号が1から始まる「総合口座」(個人が普通に口座を作るとこちらになる)と口座記号が0から始まる「振替口座」(法人が集金用に使っている場合が多い)が存在します。そして、ゆうちょ銀行から振込を行いたい場合、ゆうちょ銀行に口座を持っていない人は、「総合口座」宛にはATMからの振込はできず、窓口でのみ受け付けています。「振替口座」宛ならATMでも窓口でも可能です。次にゆうちょ銀行以外の銀行から振込を行いたい場合、「総合口座」宛でも「振替口座」宛でもATM利用ができるのですが、気をつけなくてはいけないのはゆうちょ銀行は「記号・番号」、他の銀行は「支店番号・口座番号」と、支店と口座の番号の形式が全く異なることです。その為、「記号・番号」のままだと振り込みをすることができません。振込をしたい相手が変換後の「支店番号・口座番号」を知らせてくれているなら良いですが、「記号・番号」しかわからなければ事前にゆうちょ銀行ホームページ等で振込用の店名・預金種目・口座番号に変換してから振込手続きをしましょう。なおゆうちょ銀行でも、10万円以上の振込の場合はATMは使えず窓口のみ受け付けている点は、通常の銀行と同様です。

 

振込手数料について

振込には所定の手数料がかかります。銀行によって金額は異なりますが、原則としてATM振込より窓口振込の方が高く、同じ銀行宛(例えば三菱東京UFJ銀行A支店からB支店)より違う銀行宛(例えば三菱東京UFJ銀行からみずほ銀行)の方が高く設定されています。その為、できるだけ振込をしたい相手の銀行と同じ銀行から振り込んだ方が手数料を節約できます。なお、上で「ATMで振込ができるのは10万円以下」と書きましたが、1件ずつ振込手数料がかかっても良いのであれば、10万円以下の金額に分けてATMで振り込むことは可能です。例えば12万円を振り込みたい場合、6万円と6万円に分けるよりも、2万円と10万円に分けた方が少しおトクになります。なぜなら、大抵の銀行は3万円未満と3万円以上で手数料の設定が変わるからです。例えば三菱東京UFJ銀行であれば、現金での他行宛振込の手数料はATMだと「3万円未満は432円、3万円以上は648円」、窓口だと「3万円未満は648円、3万円以上は864円」となっています。

 

まとめ

多少敷居が高く感じられる銀行ですが、こちらはお客様という立場。わからないことは聞いてみれば親切に教えてくれるので、遠慮なく質問攻めにしてしまいましょう。もしATMや窓口で相手先の口座番号を間違えて手続きをしてしまい、違う口座に送金されてしまった場合は、組戻しという手続きを行う為に日数も費用も必要になり、最悪お金が戻ってこないことも考えられます。番号の入力間違え、依頼書の書き間違えがないよう、ゆっくり確実に、よく見直しながら手続きすることだけ、しっかり気をつけて下さいね。

 


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磯山ゆきえ

この記事を書いた人

磯山ゆきえ 磯山 ゆきえ

気ままな海外一人旅が好きです。外から見たこの国の姿を意識しながら、日本に関する楽しい話題をお届けできたらと思っています。

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