21世紀になってもまだまだ現金社会の日本。そんな日本に旅行や留学などで渡航することになり、多少の資金を持っていきたいけれど、あまり多額の現金を持ち運ぶのはちょっと不安…。でも、日本の銀行に口座を持っていないので銀行振込もできないし…という場合がありますよね。両替所で現金を日本円に換金する以外にも、日本の銀行口座を通さずに日本円現金を調達する方法はいくつかあります。一番安全で確実な方法はどんなものか、検証していきたいと思います。
プリペイド・トラベルカード
旅行の際の資金源としてすっかり主流になったクレジットカード。日本でも以前よりは浸透してきていますが、まだまだ現金しか受けつけないお店は多いです。もちろん、日本国内のATMからクレジットカードで現金をキャッシングすることもできるのですが、心配なのは利息。クレジットカードでのキャッシングは通常、高額の利息がつきます。
利息や手数料を抑えるためにクレジットカードの代わりに活用したいのが、Cash Passport (Mastercard) やTravelMoney (VISA) に代表されるプリペイド・トラベルカード。購入時にインターネットバンキングなどで一定金額をチャージして使用したい通貨を指定しておくと、その日のレートで各通貨の残高が確定します。後は海外に渡航し、現地のATMから現金を引き出したり、デビットカードと同様に店舗での支払いに使ったりすることができます。日本国内では、ゆうちょ銀行のATMとセブン銀行のATMで現金を引き出せます。またトラベルプリペイドカードの残高が少なくなったら、インターネットバンキングを使って簡単に資金を追加できるのも嬉しいところです。
プリペイド・トラベルカードは、日本に渡航する前に自国の銀行など金融機関、もしくは大手旅行代理店などで申し込みできます。オンラインで受け付け後カードを郵送してくれるところがほとんどですので、まずは自国で自分の銀行口座のある金融機関に問い合わせてみましょう。
※プリペイド・トラベルカードで利用できるのは、ユーロ、米ドル、英ポンド、豪ドル、カナダドル、日本円、シンガポールドル、香港ドル、ニュージーランドドルなどの主要通貨です。
ウエスタンユニオンの送金サービス
アメリカに本拠地を置くウェスタンユニオンは、全世界に50万か所以上もの取扱店を設けており、世界各国で送金・受取サービスを受けることができます。送金は基本的に最寄りの取扱店に直接出向いて現金で決済・送金しますが、国によってはオンラインで申し込んでクレジットカードでの決済や、一部の提携ATMからの送金もできる場合があります。詳細は自国のウェスタンユニオンのウェブサイトなどで確認しましょう。
送金方法
ここでは取扱店に直接出向く場合の手続きをご紹介します。いたって簡単に手続きできます。
- 取扱店に設置されている送金依頼書に記入し、本人確認書類を提示する。
- 送金資金プラス手数料を支払う。
- 送金依頼書の控え・送金管理番号(MTCN)を受け取る。
- 送金人が受取人と違う場合は、受取人に送金人の氏名・送金金額・送金管理番号(MTCN)・送金国などの情報を知らせておく。
※送金管理番号はオンラインで送金状況を確認するのにも使用します。
受取方法
送金した資金は、日本全国のウェスタンユニオン取扱店にて受け取れます。
- 取扱店に出向く前に、資金が到着していることを確認する(オンライン・もしくは送金人に確認)。
- 取扱店で送金依頼書の受取欄に、送金人の氏名・送金金額・送金管理番号(MTCN)・送金国などを記入し、窓口に本人確認書類と一緒に提出する。
- 取引の控えと現金を受け取る。
※ウェスタンユニオンで一度に送金できる金額の上限は、日本円で100万円相当程度です。
トラベラーズチェックを換金
一昔前は旅行者が資金を持ち歩く手段として広く使われていたトラベラーズチェック。今でも一応使用されてはいます。2か所にサインすることで他人に悪用されることを防いだり、事前の手続きで紛失・盗難時に払い戻しが受けられたりといった利点は今も変わらず。現金に換金することも一応可能ではあります。しかし、トラベラーズチェックを日本の金融機関で現金化する目的で用意するのにはいくつかの注意点があります。
現金化できる場所が少ない
日本では2014年3月までに全ての金融機関で販売を停止しました。トラベラーズチェックの買い取り(現金化)も、国際空港にある一部の外貨両替窓口を除き全ての金融機関で停止しています。つまり、日本でトラベラーズチェックを現金化するのは非常に難しいのです。
ちなみに、トラベラーズチェックの買い取りができる両替商でも発行元の金融機関に制限を設けています(アメリカン・エクスプレス、トーマス・クック、インターペイメント、バークレイズバンクのみなど)。
トラベラーズチェックを受け付ける店舗が少ない
そもそも日本では一般消費者が買い物をするのに小切手を切る、という文化は浸透していませんでした。トラベラーズチェックも同じく、一部の高級ホテルや空港にある店舗以外で使用するのは難しいです。日本の街中で手軽に現金化する方法が無くなってしまった現在では、トラベラーズチェックを旅行資金として使用するのは更に困難です。
総合的に見てコストが高い
もともとトラベラーズチェックは現金と同等の位置づけである小切手なのに、為替レートは電信送金と同等が適用される点が好まれる理由でした。たとえ手数料がかかっても、現金を換金するよりはお得だったわけです。しかし、昨今は全世界で使えるクレジットカードやATMカードが登場し、さらに安いレートで提供しているため、トラベラーズチェックは必ずしもお得な手段ではなくなってしまいました。
まとめ
海外旅行や留学では、いつなん時急な出費に見舞われるか分かりません。自分の国にいるときとは違って都合よく誰かに助けてもらえるとは限らないので、資金の供給源だけはきちんと確保しておきたいものです。日本の銀口座無しで一番手軽に資金調達できるのはトラベルカードですが、何らかの理由で自国での手配が難しいこともあるかもしれません。そんな時は世界各国にネットワークのあるウェスタンユニオンがおススメです。トラベラーズチェックは日本ではかなりマイナーな存在になってしまいましたが、かろうじて日本国内で換金できなくもありません。ただし、日本での換金の条件等をしっかりチェックしてから購入するかどうか決めましょう。
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