観光目的の在留資格(ビザ)は期限の延長ができるのか?

ビザ更新

観光で訪日する外国人に付与される在留資格「短期滞在」。ビザ免除の対象となっている国も多くあり、他の在留資格に比べて格段に取りやすく、毎年多くの外国人が利用しています。取得がたやすい反面、制約が多いのがこの短期滞在の特徴ですが、在留期間の更新ができないというのも一つの大きな制約になります。ただし、そんな短期滞在の在留資格でも、例外的に更新が認められる場合も。いったいどんな時に短期滞在の在留期間を更新することができるのでしょうか。

 

短期滞在とはどんな在留資格?

日本が外国人の入国の際に認める在留資格のうち、「短期滞在」は観光や商用、家族訪問などの目的で一時的に日本に入国する人に対して付与されます。比較的簡単にビザを取ることができますが、そのぶん在留中の報酬を伴う就労の禁止や、最長90日と非常に短い在留期間などの制約があります。
現在日本は67の国や地域に対してビザの免除措置を取っており、外務省のホームページにリストされている国・地域出身であれば事前に査証を取得することなく、入国審査の際に短期滞在の在留資格を得ることができます。付与される在留期間は、インドネシア・タイ・ブルネイは15日間と非常に短期ですが、リストにあるその他の国・地域は90日となっています。

※国や地域によってはICAO標準のIC旅券を持っていることや、在外日本公館で事前登録が必要になるなど、細かく規定が設けられているので、必ず日本の法務省のウェブサイトや在外日本公館へ直接問い合わせるなどして確認しておきましょう。
※これ以外の国のパスポートで日本に入国する際は、事前に在外日本公館が発給するビザを取得しておく必要があります。

 

短期滞在の在留資格を更新できるのはどんな時?

短期滞在のビザは申請手続きが簡素化されており、特にビザ免除の対象国出身者にとっては殆ど手間を掛けずに在留資格を取得することができます。しかし、あくまでも一時的滞在を目的に付与される在留資格のため、原則として在留期間の更新は認められていません。ただし、下記のような場合で申請理由が妥当と判断される場合には在留期間の更新が認められます。

①人道上真にやむを得ない事情がある時

短期滞在には在留資格更新が認められていませんが、人道上どうしてもやむを得ない事情が発生した時には、その原因となる事由が解決するまでの間更新が認められることがあります。やむを得ない事情とは、例えば日本滞在中に病気やケガなどで出国できない状況になってしまった、などの場合です。このようにやむを得ず在留期間更新を行う場合は、引き続き滞在し続けなくてはならない理由を証明する書類の提出が求められます(病気やケガが理由の場合は医師の診断書など)。ただし、このようなケースであっても、180日を超えて在留することはできません。

②出国準備のための更新

短期滞在の在留資格保持者は、本来在留期間が終わる前に出国準備を終えて日本から出なくてはいけません。しかし、例えば帰りの飛行機の手配に不手際があって搭乗できず、期限までに出国できなくなってしまったというような場合があります。このような場合は、確実に帰りの交通手段が確保されており出国が確実である場合に限り、現在の在留期限から15日間の更新が認められます。

③ビザ免除の条件として6か月以内の滞在が認められている国の出身者

前述した67の国・地域に認められているビザ免除措置ですが、そのうち下記の7か国に関しては6か月以内の滞在期間が認められています。ただし、入国の際に付与される短期滞在の在留期間は最長で90日までとなっています。したがって該当する7か国出身の旅行者が、90日を超えて日本に在留し続けたい場合は、在留期間が切れる前に地方入国管理官署で在留期間更新の手続きが必要になります。

短期滞在で6か月以内の滞在がビザ免除される国

アイルランド、イギリス、オーストリア、スイス、ドイツ、メキシコ、リヒテンシュタイン

 

必要書類と手続き

短期滞在の在留期間更新手続きは、原則として申請者本人が地方入国管理官署に出向いて行います。事情により本人以外が代理で申請を行う場合は、その代理人が申請を提出するのにふさわしい人物であるかどうかの確認のため、身分を証明する文書の提出が必要になります。

必要書類

  • 在留期間更新許可申請書 
  • パスポート(提示のみ)
  • 「短期滞在」の在留資格に係る活動を引き続き必要とする理由を明らかにする資料 
    ※病気やケガの場合は医師の診断書など
  • 日本に入国してから現在までの活動を具体的に説明する資料(書式自由)
  • 滞在中の経費を支弁できることを証する資料、および出国のための手段又は経費を支弁できることを証する資料 ※預金残高証明書、日本出国用航空券など
  • 身分を証する文書等(代理人が申請する場合・提示のみ)
    ※取次証明書、戸籍謄本等など申請者本人との関係がわかるもの

申請にかかる手数料

申請に許可が下りたら、4000円を収入印紙で支払います。

審査にかかる期間

在留期間の更新理由が「出国準備のため」である場合は、書類に不備がなければ即日許可がおります。その他の場合は申請の内容により審査期間が変わってくるため、いったん申請手続きをした後、地方入国管理官署から再び出頭要請の連絡が来るまで待つことになります。

 

まとめ

取るのはとても簡単だけれど、期間を更新するのはとても難しい「短期滞在」の在留資格。殆どの外国人訪問者は付与された在留期間内で問題なく出国していきますが、突発的にやむを得ない事情が起きた時は申請を行うことで滞在を延長できる場合があります。また、ビザ免除で6カ月間の滞在が認められている国の人でも、90日を以上滞在したい時は在留期間更新が必要です。うっかり更新を忘れて最初の90日を超えてしまわないようにご注意ください。

 


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あきらことほ

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日本を離れて11年。帰国の度に日本のいいとこ再発見。このコラムが皆様の「日本のいいとこ発見」のお役に立てればウレシイです!

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