自動車を購入したら…外国人のための自動車保険ガイド

Car insrance

photo by Pictures of Money

長く日本で生活していると、日常生活で自動車が必要になることもありますよね。自国で自動車を所有していたという人は、事故や故障時に備えて自動車保険に加入していたことと思います。そしてそれは日本でも同じ。日本で加入する自動車保険は2種類。加入が法で義務付けられている保険と、所有者が任意で加入する自動車保険があります。万一に備えて加入する自動車保険ですが、日本語が得意でない場合は加入手続きや保険請求自体も負担に思えてしまいます。今回はそんな不安をお持ちの人に、日本の自動車保険の概要をご紹介します。

 

日本の自動車保険加入の仕組みについて

日本で自動車を購入する際に加入する保険は2種類。法によって全員加入が義務付けられている「自賠責保険」と、自賠責保険でカバーされていない部分の補償を受けるために任意で加入する、通称「任意保険」と呼ばれる自動車保険があります。この二つの保険には次のような大きな違いがあります。

自賠責保険

自動車の名義人が強制的に加入する車両に対する保険。事故の被害者の救済を目的としているため、事故当時に被保険車両を運転していた人が誰かに関わらず、事故でケガを負った人に対して保険金が支払われます。ただし、故意に事故を起こしたなどケガ人の過失割合が100%である場合、自損事故の場合、車両の運行が原因で死傷したものでない場合、死傷した者が「他人」でない場合は保険金が支払われません。また、自賠責保険の補償額は法で下記のように定められており、どの保険会社で加入してもその内容は全て同じです。2018年度(2018年4月1日以降に契約初日となる)の自賠責保険料は、12か月15520円です。

  • 死亡による損害:3000万円まで
  • 障害による損害:120万円まで
  • 後遺障害による損害:3000万円まで

※事故の際に実際に受け取る保険金は、受取人の過失割合を考慮して減額される場合があります。
※自賠責保険の加入手続きは保険会社(もしくはエージェント)のほか、車の販売店、自動車整備工場、陸運局でもできます。
※中古車を購入した際に前オーナーが加入した自賠責保険の期間が残っていることがあります。その場合は名義変更をして保険を引き継ぎます。

任意保険

自賠責保険ではカバーされない損害を補償するために加入する保険。加入は義務ではなく任意です。自賠責保険が車両に対してかける保険であるのに対し、任意保険は運転者に対してかける保険。加入時に指定した運転者以外が事故を起こした場合には補償はされません(運転者無制限で指定することはできます)。また、自賠責保険は補償内容が法で定められていますが、任意保険の補償内容や限度額、保険料は保険会社やプランによって様々。任意保険によってカバーできる補償内容には下記のようなものがあります。

  • 自賠責の補償限度を超える対人賠償
  • 対物賠償
  • 自損事故
  • 被保険者・搭乗者への補償
  • 事故の相手が無保険で賠償が不十分だった場合の補償
  • 事故車両修理への補償(車両保険)
  • 事故時のロードサービス

任意保険に加入する前に自分が自動車を利用する頻度や目的などに合せて、どのような補償内容が必要かをリストアップして保険会社の担当者に問い合わせをしましょう。

任意保険の保険料

任意保険の保険料は運転者の年齢、車種、車両保険の有無などの条件によってかなりの変動幅があります。特に運転者の年齢は保険料に大きく影響し、最も低額となる年齢層は35~49歳。逆に最も高額となる年齢層は20歳以下で、最安値となる年齢層と比べて保険料が約2倍近く変わってきます。また50歳以降も5歳ごとに5~7%保険料が上昇していきます。保険料はもちろん保険会社や補償内容によって大きく違いがありますが、大まかな目安としては普通車で車両保険込、運転者が25歳以上の場合、年間5万~15万円になります。

 

多言語での事故対応がある保険会社

自動車事故を起こした時のために加入する自動車保険ですが、日本の保険会社のほとんどが事故連絡やロードサービスの要請は日本語でしか対応していません。しかし昨今の外国人旅行者や居住者の増加により、外国人による自動車事故が増えており、数社の保険会社が多言語での事故対応を始めています。

三井住友海上

自動車事故の連絡受付から保険金の支払いまでを英語、中国語、韓国語、フランス語、ドイツ語など14カ国語で対応。事故処理に関する書類も14カ国語で対応しています。

損保ジャパン日本興亜

自動車事故の連絡受付、示談交渉、保険金の支払いを含む全ての事故対応過程を英語、中国語、韓国語、フランス語、ドイツ語など14カ国語で行います。

共栄火災

事故連絡受付から保険金支払いまでの流れを15カ国語で対応。

※上記の保険会社の外国語対応は、全て通訳オペレーターを配した3者間通話によって行われます。
※今のところ多言語で対応しているのは事故処理および事故後の保険請求とロードサービス要請のみで、加入受付や加入時の書類、保険約款は日本語のものしか用意されていません。

 

日本語はまったく…という場合にはエージェントを利用

前述のとおり日本で自動車保険に加入する際は、保険会社の担当者とのやりとりはもちろん、契約書や約款といった書類は全て日本語のみで行います。オンラインや郵送での申し込みであっても同様に日本語での手続きとなるため、書類を記入して約款を理解するだけの日本語能力が求められます。しかしこれは日本語が得意な人であってもなかなかハードな作業です。保険会社との手続きを手伝ってくれる家族や知人がいればいいですが、そうでない場合は保険エージェントに依頼するのがベスト。保険に関する問い合わせや見積もりを英語で受け付けており、保険でカバーされる範囲の詳しい説明や緊急ロードサービスの要請も英語で対応してもらえます。

JAPAN INSURANCE NET
Relo Financial Solutions

 

まとめ

日本での保険加入は加入申し込みや契約内容を書いた約款が日本語のものしかないことがほとんどで、日本語に自信のない人にとっては難しい作業になりがちです。いざ事故に巻き込まれて気が動転しているのに、日本語でサービスを要請するのも億劫なものです。できるだけ間違いなく手続きを行うために、保険会社は多言語対応を行っているところを選ぶのが無難。また保険会社との日本語でのやりとりを手伝ってもらえる人が身近にいない人は、最初からエージェントを利用するとスムーズに手続きをすることができます。

 


関連記事
外国運転免許証を使って日本で運転をする3つの方法 
車の運転前にチェック!日本で交通違反をしたらどうなる?
引越しする時には忘れずに!運転免許の住所変更手続き
【ガソリンスタンド編】外国人のための運転マナー講座
【駐車編】外国人のための運転マナー講座
【一般道編】外国人のための運転マナー講座
【有料道路編】外国人のための運転マナー講座
【交通事故編】外国人のための運転マナー講座
【違反切符を切られたら】外国人のための運転マナー講座
高速道路乗り放題?訪日外国人限定Japan Expressway Passとは
自動車で日本観光旅行。外国人のためのレンタカーガイド
訪日ドライブ旅行に使える地域限定の高速道路フリーパスまとめ
自動車トラブル時の強い味方JAFのロードサービス
補償内容を事前チェック!レンタカーの自動車保険ガイド
車を持たない人急増中!?日本のカーシェアリング事情
人気拡大中!レンタルバイクで日本をツーリング?
冬も快適にアウトドア!レンタルキャンピングカーガイド
初めての運転免許を日本で!英語対応の自動車教習所
自動車も引っ越し!乗用車の国内輸送サービス


 

 

あきらことほ

この記事を書いた人

あきらことほ あきら ことほ

日本を離れて11年。帰国の度に日本のいいとこ再発見。このコラムが皆様の「日本のいいとこ発見」のお役に立てればウレシイです!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>